141話▽"忠実な男" ページ45
地に伏すペコと自分。
それをオーブン様から庇うように間に入り、腕を広げて立ち塞がる者が現れた。
──プリン様だ。
「A達が罪に問われるなら……私だってそう」
「「『！』」」
「私は
みんながこの日のために立てた計画を、台無しにしたわ。
だから……2人が罰せられるなら、私だって」
自分に続きプリン様という予想外の登場に、場には引き続き沈黙が流れる。
自分も声が出なかった。
涙を拭うことも、鼻を啜ることも出来ない。
そして予測不能な出来事というものは、奇しくも連鎖するようで。
「……待て……」
「「「！！！」」」
『……カタクリ、様』
"カタクリ様が倒された"というのは電伝虫で聞いていたが、どうやら本当のようだ。
……ここまで満身創痍な彼の姿は、1度も見たことがない。
そのすぐ後ろを、ブリュレ様が慌てて追いかける。
「お兄ちゃん！今動いたら……」
「……オーブン……ゼェ……」
「……カタクリ、お前」
"完全無欠"の"完璧超人"と崇められていた存在だ。
そのボロボロな姿に、みんなが驚くのは無理ないかもしれない。
──更に彼は、その隠していた口元を曝け出していた。
「に、兄ちゃん……！」
「その、口」
「……おれは手加減したつもりも……ハァ……私情を挟んだつもりもない。
それでもおれは……麦わらを止められなかった。
おれはソイツらを……ゼェ……責めることは出来ねェ」
『……！』
プリン様の隣に歩み出るカタクリ様は、本当に大きく感じる。
自分もペコも、動けないまま地面からその様子をただただ見上げていた。
するとブリュレ様も……彼の隣に並んで、オーブン様と向かい合う。
「……そ、それを言うならアタシだって！
不本意だが麦わらに手を貸してしまったし……散々利用された」
「ブ、ブリュレ」
「別にペコムズを庇うワケじゃないがね……！
……責任は、何もソイツだけにあるんじゃない」
プリン様、カタクリ様、ブリュレ様と対峙して──気づけばオーブン様の瞳は鎮火していた。
よく見れば彼の体も傷だらけだ。
それは麦わらとの戦いの熾烈さを物語っているようだった。
「……おれは法に忠実な男だ。
それでも……どうしても
──"
今まで立っているのもやっとだったのか。
ドカリ、と大きな音と共にオーブン様は倒れた。
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なめこ(プロフ) - 万さん» 万様、温かいコメントをありがとうございます！駄洒落は割と丁寧に作ってたのでそう言って頂けると嬉しいです。引き続きマイペースで頑張っていきます！ (2022年9月30日 19時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
万(プロフ) - 初めまして、設定も珍しく内容もとっても面白かったので一気に読んでしまいました！！主人公の駄洒落もついつい楽しみにしている自分がいました！今後も応援しています。 (2022年9月30日 0時) (レス) @page50 id: b14a1161fa (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィちゃん様、感想ありがとうございます！また返信遅くなり申し訳ございません。今後もマイペースに作品更新していくので、よろしくお願いします！最後までのご清覧、本当にありがとうございました！ (2022年9月10日 13時) (レス) @page19 id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても良いお話でした！今後も頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年1月5日 11時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 烏羽Pさん» 鳥羽P様、ありがとうございます！この作品で少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。今後も自分のペースで作品投稿を続けていくつもりなので、どうぞよろしくお願い致します。改めまして、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました！ (2020年12月29日 13時) (レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年10月30日 18時
