43話▽政府の女王様 ページ45
「しばらく見ない間に大きくなったのね、スパンダム
目の前の……高そうなバッグを身につけ、上品なドレスに身を包んだエレガントな女性。
帽子の下から覗くツヤのある髪からも、その
「……何の御用で？
"ステューシー"さん」
「あら、用が無ければ来ちゃダメだったかしら」
(この人……今長官を、"君"付け！)
スパンダム長官でも頭が上がらないお方なのか？
それってかなり偉いのでは！？
だってサイファーポールの、しかもCP9の長官より上役でしょ！？
パッと見そんな上には見えないし……年齢なんて感じさせないほどお綺麗だ。
「たまたま近くに来てたから寄ったのよ。
あなたのお父様……スパンダイン
"息子がしっかり長官をやれているか──"……」
「だーッ！ったく親父も面倒くせェな！」
長官は不機嫌さを隠す素振りも見せず舌打ちした。
そんな様子も見慣れているのか、女性は余裕そうな表情を崩さない。
「あなたは？」
『エッアッハイ！』
「秘書官ですよ。2代目の」
まさかこっちに話が飛んでくるとは！
私は声とも呼べぬ声で返事をしてしまう。
すると女性は……こちらに歩み寄り、顔を覗き込んできた。
蝋人形のように白く端正な顔でじっと見つめられる。
そのあまりの端正さに、私はマトモに喋ることもできずッ！
「ふふ、初々しい子♡」
『え、え』
「スパンダム君……いえ、スパンダムは人使いが荒いと思うけど。
彼のことをこれからもよろしくね」
「……はァ、おれのお袋じゃねェんだから」
"元気そうで安心したわ"と告げて去っていく彼女。
急な来客に、長官はくたびれた顔をしていた。
「今のは親父の先輩だ」
『……先輩？』
衝撃の発言。
だって長官のお父様、スパンダインさんってもうすぐ60……
……いや、考えるのはよそう。
「親父が
親父は今……サイファーポール"イージス"ゼロの総監。
ステューシーはそこの諜報部員だ」
『ま、待ってください！
サイファーポールって……1から9以外に、"0"もあるんですか？』
私の当然とも言える疑問に、長官はニヤリと笑い返す。
「あァ、そうなるな。
だがおれに言わせりゃCP0は"世界貴族の使用人"！
親父には悪いが、実質CP9こそが最強の諜報機関だぜ」
不敵な笑みを浮かべる長官に、私は体を震わせた。
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
