24話▽つまるものですが ページ26
『い、良いんですか？』
とある日の仕事終わり。
スパンダム長官は大きな包みを1つ、私に手渡してきた。
「別に構わねェさ。
仕事柄こういうのがしょっちゅう届くから、毎度処理に困ってんだ」
『処理って……』
長官が指さす方を見れば、そこには大小様々な包みが置いてあった。
聞けば、仕事上関わりのある方々からの贈り物らしい。
中にはメッセージカード付きのものまで。
……"例の件、頼みましたよ"……
……"穏便なご処置をお願いします"……
(……賄賂的な？)
お偉いさん方とのお付き合いってのも大変なんだなぁ〜……？
『でもこれ結構大きいですけど……本当に貰っちゃっても』
「あー良いよ良いよ。
何ならここにあるの全部持っていって良いぞ」
『い、いやいや！
これだけで十分です』
貰った包みは大きいし、わりかし重い。
何が入ってるんだろう？
長官は貰い慣れているからか、中身にはあまり興味はないようだ。
私は彼に礼を言うと、包みをしっかり抱えて部屋を出た。
……高級品かもしれないし！
「フルーツの詰め合わせ？」
『はい。
さっき長官……のお知り合いの方から頂きました』
「どういうことだ……」
というワケで、先程の包みの中はフルーツの詰め合わせでした！
包装の仕方などから見るに、恐らくお高い！ハズ！！
まぁ高級品と無縁だった私には、その価値はよく分かんないんだけど……
「……それで、なぜそれをおれに？」
──だから私は、ブルーノさんの部屋の前に来ていた。
もちろん目的は、これを渡すため。
彼の視線は、フルーツの箱と私を行ったり来たりしている。
『ま、前に"果物漬けが好き"とおっしゃってたので！
私は料理とかできないし、多分ブルーノさんの方が有効活用してくださるかなと……』
「……」
正直私の手元にあっても直接齧り付くくらいしかできない。
いや、そもそも皮剥けないな？
私包丁握ったことほぼ皆無だった！
「飲んでいくか」
『へ？』
「タダで貰うのも気が引ける。
これの調理ついでに、ジュースでも出そう」
(私もタダで貰ったんだけど……)
でも、せっかく作ってもらえるなら？
前飲んだ時もすっごく美味しかったし？
『い、い、いただきます！！！』
「……ハ、じゃあ中で待っててくれ」
……ってかなり食い気味に返事しちゃってるな！
「これがフルーツタルト、こっちがテリーヌ……」
『ブルーノさん、本当に料理がお好きなんですね？』
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なめこ(プロフ) - I r°さん» ありがとうございます！これからも自分のペースで更新頑張らせていただきます！ (2020年12月6日 10時) (
レス) id: 64cb88d55b (このIDを非表示/違反報告)
I r°(プロフ) - すごく好きです！これからも頑張ってください！！ (2020年12月5日 15時) (レス) id: e50f3d6e93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2020年11月12日 21時
