134話▽いついつまでも ページ38
"人が誰かを忘れる時、最初に声から忘れてゆく"……なんて話がある。
それなら私は、きっと生涯……彼等を忘れはしないだろう。
だって幾千の中からでも。何光年離れていようとも。
その声を頼りに、必ず見つけ出してみせるから。
「……A？」
間違いない。
ルッチさんだ。
それを証明するように、目を剥く電伝虫にも見知った
『……え、ぁ』
「……」
本当の本当。
今度はこの目と耳で、しっかり確認出来たのだ。
『わぁーーーっ！！！
長官！！！長官ッ！！！
生きてました！！！生きてましたぁ〜〜〜！！！』
「痛ェ痛ェ！！！
引っ付くなよお前！！！」
『良かったぁ……ひﾞっﾞくﾞ……！！！』
「お、おい秘書官！息子の怪我が悪化したらどうしてくれる！？」
ルッチさんは、確かにこの向こう側にいた。
「A！？無事だったのかー！」
「……はは、人騒がせなヤツだわい」
「全くだ。少しは懲りてほしいものだが」
ううん……ルッチさんだけじゃない。
フクロウさんと、カクと、ブルーノさん。
「ァ涙なみだの〜！再・会・紀・行ッ！！」
「目が潤んでいるものね。ジャブラも」
「そ……そりゃオメーだ
クマドリさん、カリファさん、ジャブラさんも。
──生き延びてくれたんだ。誰1人欠けることなく。
もう誰の声だって、絶対聞き逃さないから。
傍らのスパンダインさんは見る見る内に血相を変え、冷や汗を垂らし始めた。
「き、貴様ら……ベリーグッド大佐は」
「……存じ上げませんが。
今我々の足元に転がっている……
「馬鹿な！他にも大勢いたんだぞ……」
顔を顰め歯軋りをするスパンダインさん。
まさか刺客達が返り討ちに遭うとは、彼も予想外だったようで。
「そちらで聴いておられますか？スパンダム指令長官」
「……！」
「一先ずご無事で何よりです。
さて……上官、いや
元部下として、お世話になったあなたへ伝えたいことがある」
ルッチさんの淡々とした態度に、長官はぶるりと身体を揺らす。
電伝虫の眼は僅かに細められていた。
「──いずれ必ず、我々全員であなたの元へ伺います。
それまでどうか……ご自愛ください」
「ヒ……」
『はい、お待ちしております！！！』
「何元気に返事してんだよ！？！？！？」
「この秘書官アホなのかァ！？！？！？」
親子に大声でツッコまれたタイミングで、電伝虫もプツリと切れる。
残された私達は、また思い思いの喚声を上げるのだった。
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なめこ(プロフ) - 綺世さん» 綺世さん、コメントありがとうございます！ルッチの魅力を伝えるのが中々難しかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜……！機会がありましたら、次作の際も宜しくお願いします！ (2023年3月4日 9時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品に出会い、ルッチ推しになってしまいました。次作も楽しみにしています！執筆お疲れさまでした！ (2023年2月28日 14時) (レス) @page50 id: 782601e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - Jaさん» Jaさん、嬉しいお言葉ありがとうございます〜！長い作品なのにありがとうございます……笑 引き続き更新頑張って行きます！ (2023年2月1日 19時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
Ja - とても面白くて昨日から一気読みしました！！更新これからも頑張ってください！！ (2023年2月1日 9時) (レス) @page40 id: f8125b9f7e (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 酢さん» 酢さん、ありがとうございます……ご満足いただけたようで何よりです笑 CP9沼の民の妄想に、最後までお付き合いいただけますと幸いです！ (2023年1月22日 16時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2022年12月3日 15時
