133話▽受信 ページ37
連絡が本当なら、CP9の方々は生きていたことになる。
だけど情報に誤りは？
この目と耳で確かめない限り……正直信じ難い状況だ。
それ程までに悲観していた。目覚めて、彼等の姿が何処にも見当たらなかった時。
しかも、抹殺指令が？
だとしたら……このままじゃ……！
『な、何故そんな！』
「"何故"？そりゃ決まってる。
本件の責任を取ってもらうんだ。
こうでもしなきゃ、示しがつかんだろ？」
『責任って……ッ』
それは彼等だけじゃない。私達にだってあるものだ。
押し付けるかのような言い方に、私は堪らず歯を食いしばる。
「それに野放しにすりゃ息子が狙われる。
彼等は私達にとって……邪魔なんだよ。分かるか？」
「……なァにが私
私が口を開くその前に、スパンダム長官が呻った。
「──知った口聞くな！
おれはそんなこと頼んじゃいねェよ！！」
「！？」
「都合の良い時だけ親の顔しやがって……
余計なお世話だヴァーカ！！！」
"シン……"という音が聞こえてきそうな程の、静寂。
これには怒り心頭な私も、余裕綽々なスパンダインさんも驚きを隠せない。
次に身体を震わせるのは、父親の番であった。
「……ば、馬鹿？
おれはお前の為を思──」
「見当違いなんだっつーの！
親気取りするなら分かれ」
「なッ……！
親に向かって何たる言い草だ！！
誰のお陰で、今まで不自由なく暮らせたと思ってる！？」
(お、親子喧嘩……？)
沈黙も束の間。病室が怒号の数々で満たされる。
ギャイギャイと啀み合う2人に、1人の衛兵が慌ただしく駆け寄って来た。
彼の手元では、コーラルピンクの電伝虫が鳴っている。
「
「何だ！この忙しい時に」
「ただ今、ベリーグッド大佐より着信が！」
"ベリーグッド大佐"って、CP9を発見した人……！？
「！
ワハハ……喜べ息子よ！そして泣いて感謝するんだ。
"闇の正義"はその名の通り、闇に葬られたんだろうさ」
(嘘……)
エニエスロビーを無事脱出していても、皆深手を負っていたはず。
如何程の軍人や役人が派遣されたのかは想像もつかないが、海軍大佐まで送られたのだ。降伏したとて、見逃してはもらえまい。
彼等の安否を知りたい。
それでも"無事"以外なら聞きたくない。
私では到底触れなかったであろう電伝虫の受話器を、スパンダインさんは易々と取り上げた。
「こちらスパンダイン！
状況を報告しろ。CP9は始末したか？」
「……状況はすこぶる良好かと。
CP9は……
(……)
『ルッチ、さん？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なめこ(プロフ) - 綺世さん» 綺世さん、コメントありがとうございます！ルッチの魅力を伝えるのが中々難しかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜……！機会がありましたら、次作の際も宜しくお願いします！ (2023年3月4日 9時) (
レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
綺世(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品に出会い、ルッチ推しになってしまいました。次作も楽しみにしています！執筆お疲れさまでした！ (2023年2月28日 14時) (レス) @page50 id: 782601e7a1 (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - Jaさん» Jaさん、嬉しいお言葉ありがとうございます〜！長い作品なのにありがとうございます……笑 引き続き更新頑張って行きます！ (2023年2月1日 19時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
Ja - とても面白くて昨日から一気読みしました！！更新これからも頑張ってください！！ (2023年2月1日 9時) (レス) @page40 id: f8125b9f7e (このIDを非表示/違反報告)
なめこ(プロフ) - 酢さん» 酢さん、ありがとうございます……ご満足いただけたようで何よりです笑 CP9沼の民の妄想に、最後までお付き合いいただけますと幸いです！ (2023年1月22日 16時) (レス) id: 1b44704fa6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なめこ | 作成日時：2022年12月3日 15時
