恋愛禁止令解除？【うたプリ】

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《中学生時代》

中学生２年生最後の登校日。
私達はいつも通り、２人で学校へ向かう
中２最後の日でもあり、私とトキヤが一緒に学校へ行く最後の日でもあった



「A、はやくしなさい｣

「最後くらい、いいでしょ？」

「はあ、仕方ないですね」

「今日で２年生最後。明日から春休みだね」

「ええ、そうですね」

「トキヤも、最後だね」

「…ええ」

「ほんとに東京行っちゃうの？」

「…しょうがないでしょう」

「離れ離れだね」

「…A、これを見なさい」

「ん？あ！それ！パカパカ携帯！」

「そうです、この私が頼み込んで買ってもらったんですよ」

「ってことは…」

「メールも電話も、出来ます」

「やったぁ！！」

「少し会えない期間が続くだけです」

「…うん」

「今まで通り、話すことはいくらでも出来ます」

「…うん」

「ですから…離れ離れなんて言わないでください」

「うん、わかった」

「また…会えますから」

「うん、トキヤ手、しよ」

「っ。今日は特別です。どうぞ」



お母さんの転勤と自身のお仕事の都合があって東京に引っ越すと、半年前トキヤに言われた。

受け止めきれなかった私は心のどこかで嘘である事を期待しながらも、日が経つにつれそれはウソなんかじゃないと思い知らされるばかり



最後の日もトキヤはいつものように迎えにきてくれた。私に携帯を見せ、ちゃんと連絡手段があるから大丈夫、と言ってくれたトキヤの目には涙が浮かんでいた



思い返せばいつだって、トキヤは私のことを守ってくれていた
離れ離れなんて言わないで、と声を震わせて言うトキヤ

…今日は、私がトキヤを守るよ


幼い頃からトキヤは、私と手を繋ぐと安心するという変なクセのようなものがあった。
中学生になって周りを気にし始めた頃から、自然と手を繋がなくなった私達


今日くらいいいんだと私は手を出すと、特別といって重ねるトキヤ




その瞬間、トキヤの目から涙がこぼれ落ちたのを私は見逃さなかった



強がりでいじっぱりな所があって、いつも私を守ってくれる。そんなトキヤが泣いた姿を見のは初めてだった


私の頬に伝う涙をトキヤに気づかれないようにそっと拭いながら、ぎゅっと手を強く握り、学校へ歩き出す





トキヤと過ごした最後の冬だった



〈初めて見せた、弱った姿〉




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作者のなめです(^o^)
すみません、中学編だけ以上に長くなってしまいました。文字が多いですが読んでほしいです

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