生意気ボーイ

世間話 ページ25

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玲於｢龍友くんと何話してたの？｣



着くなりそんなことを言われて、え？って聞き返した



『いや別に、世間話？』



何話したっけ？

もうそれすら思い出せないほどバカバカしくて薄い内容だった




玲於｢ふーん、世間話ね｣


『？どうしたの？』


玲於｢や、別に？あ、俺これがいい｣



途端に子供みたいにアクセサリーを指さすものだから、私は戸惑う


『ほんとにセンスがいいんだね。これ、アユさんが大好きなブランドのやつだよ』


玲於｢は、ガチ？アユさんこれ好きなんだ｣


｢玲於くんの衣装合わせ終わった？｣




ドタバタな中、先輩が声をかけてきて慌てて超特急で終わらせる


『ほら、行ってらっしゃい！』



背中をとん、通すと押した手を玲於くんが掴む


ドキッ



胸の高鳴りは、気づいちゃいけないことを気づかせようとしてて。



玲於｢サンキュ、これ終わったら飯な｣



ニカッて向日葵みたいに笑った玲於くんは、どこからどう見てももうお店で鋭い目線を向けてきた彼じゃない




他の女の子にもそうやって笑顔見せたり話したりするの？



打って変わってちくりと痛む心臓にゆっくり手を当てる




｢いいねー、その表情、そそるよー｣




言葉が上手いカメラマンさんが挑発するようにドンドンカメラを動かしてく


それに応じて目線を変えたりポーズを変えたりしている皆




おかしい





さっき触れられた手が熱いのは、




みんないるのに玲於くんしか見えないのは、





その笑顔を私だけに向けて欲しいと思うのは…




こんなにも胸が忙しいのは、








あなたの事が、好きだから…？






恋愛下手な私が気づいた気持ちは、


到底釣り合うことの無い私たちの




叶わない私の失恋を意味していた






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