【5部】ロキとレクイエム【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ5)

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ファーストコンタクト③ ページ5

ブチャラティの上からの命令というのは当然嘘だ、ハッタリである。分かっているはずなのに、この人が言うと本当は私の知らないところでそんな命令が下されていたのではないか？という疑問すら抱いてしまうほど、彼の私への対処は的確だった。

ここで彼らに逃げられるのはまずい、今私に対するイメージをぬぐっておかなければ、今後要注意人物として、数多の犠牲を出した結果から得るボスの座を奪い、安定して話せるようになるまでは絶対に私とは関わろうとしてくれなくなる！

それだけはなんとしても避けなくては…！

「ま、待ってください！」

ブチャラティは足を止め、こちらに振り返る

「ええ、貴方の言うように、確かに私は昨日の話を知っていますが……」

チームのメンバーもここまで「昨日の出来事」、と言うワードを聞いて気にならないはずもなく、現にナランチャは先程からブチャラティになーなー、式ってなんだよー、と話を聞き出そうとしている

「ブチャラティ、すぐに終わると言っているのですから、ここで終わらせてその任務とやらに行けばいいじゃないですか。彼女だって、上からの命令でここに来てるんだ、何もしないで戻ったらきっと怒られちゃうんですよ、それは少し可哀想ではないでしょうか」

フーゴが私に対する人情から、嗜めるような口調でブチャラティに提案する。ブチャラティはフーゴがジョルノを陥れるためにその言葉を放ったわけではないと言うことを理解しているからこそ断れない。

すると、しばらく黙ったままだったジョルノが、決意めいた表情で、私に一言言い放った

「……そんなに急ぐというのなら、貴女も僕らと一緒に来ればいい」

「！」

ブチャラティは驚いた様子でジョルノの方へ振り返った。ジョルノ、どうするつもりだ。とでも言いたそうな表情で。私だってこの返答にはビックリだ。どうするつもりなんだろう、彼のここからのピンチの切り抜け方は私の一ファンとしての心をくすぐるものがある。この体験を客観的に後から見返したいほどだ。

「おい、てめえ新入りが勝手に話進めてんじゃ＿＿」

「いいでしょう、ではその「命令」とやらに私も同行させてもらうことにします…」

ジョルノに噛み付くアバッキオに、これ以上言わせたくなくて私はわざと言葉を遮った。申し訳ないが、私はこれにすがるしかない＿＿