【5部】ロキとレクイエム【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ16)

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彼女の謎ページ16

「船は『2隻』あったッ！」

ブチャラティが隣でそう叫び、スタンドの能力が解け、薄くされ被されていたもう一隻の船は海深くへ沈んで行く。海水を飲み、危うく溺れかけた敵はようやく僕らの前に姿を現した。

ゼー、ゼーと息を荒くし、スタンドで薄っぺらくされたアバッキオを人質に、敵が脅しをかける

「そばに来るんじゃあねーーってめーら！仲間をブッ殺すぜーーッ！」

「……」

当然ブチャラティはそんな脅しには屈しない。こいつは姿を僕たち二人に見られた。弱点である本体の姿をだ

「きゃはははあーーッ」

奇声をあげながらアバッキオへレイピアを突き立てようとする敵に、ブチャラティがジッパーで射程距離を伸ばしたスティッキィ・フィンカーズの拳をくらわせた。すかさず僕は前に飛び出し敵をスタンドで殴り飛ばす。そのまま『G・E』の能力で植物を体に巻きつけて拘束する。

「ジョルノ、お前が言った通りだな。隠れて攻撃する能力って事はそれが弱点……ノロイ野郎だぜ」

「ええ、ですが……Aのヒントのお陰でもあります」

彼女はきっと、こいつの正体を知っていたし、もっと早く対応ができたのだろう。しかし僕らに全てやらせた。それは何故か

今はそんなこと考えている暇はない。敵が掴んでいた彼女らを離し、横へ寝かせる。A達は全員すぐに空気が入り込むように元の大きさへ膨らんでいった

ブチャラティは意識を取り戻したアバッキオと二、三言会話を交え、次々に目覚めてゆくメンバー達を集め、改めて例の話をしようということだった

「……ジョルノ」

ハッとして彼女を見ると、彼女はすでに目を開けていた。彼女は周りの様子を伺い、納得したようだった

「大丈夫ですか？」

「ああ……うん、頑張ったな、ジョルノ。敵は……ズッケェロはどこに？」

ズッケェロ……やはり彼女はあの敵の存在を知っていたのか。

色々と質問したいところだが、今はぐっと堪え、彼女へ預かっていた口紅を差し出した

「ありがとうございます。あなたのヒントのお陰で無事敵を倒すことができました」

彼女は安心したように一息ついて、フラフラしつつも立ち上がると、首と身体を切断されて動けずにいる敵へと近づいて行く

「……マリオ・ズッケェロさん……だったかな、外れてたらごめん。君の仲間の………サーレー！思い出した。彼に目的地を伝えなきゃだよね。行き先、まだわからないから「場所をゲロさせて後で伝える」。とか無線で言ってたりします？」