【5部】ロキとレクイエム【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ15)

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ムーディー・ブルースの逆襲③ ページ15

「クソッ、どうするんだブチャラティ！」

改めて敵の攻撃を目の当たりにし、より一層緊迫した空気の中、アバッキオはブチャラティへ指示を請う

「……ジョルノ、さっきAがお前に渡していたそれは…」

「……ええ、何の変哲も無い、本当にただの口紅のようです。見たことないブランドの物のようですが」

「ンなこたぁ今は関係ねえだろーが！」

「……」

少々の沈黙の後、ジョルノがスッと立ち上がる

「Aは……先ほどナランチャ達は仮死状態で人質にある、と言っていました。Aも死んでません、生きています」

「何？」

「……ジョルノ・ジョバァーナ。何でお前さんによ…ハッキリとそんなことがわかる？」

ジョルノは船室の入り口の方を指差し、そちらを向く二人に静かに説明する

「彼女の…Aの口紅を蝿に変えました……『蝿』は主人であるAのところに戻ろうとしています。ナランチャが死んでいれば、ああいう風に捜すように飛び回らない…」

「『捜せる』のか！？」

食いつくブチャラティにジョルノは少しだけ苦い顔を浮かべる

「…………生きてはいます、生きてはいるんですが……」

なかなか行方の定まらない蝿を見て、ジョルノは続ける

「船室におりていくでもない、ロッカーの中でもない。どこにもなかなか蝿がとまらないんです。さっきからずっとあのあたりを…」

「Aを捜して飛んでいるんです」

ジョルノの未知の能力を目の前にし、アバッキオは疑問を露わにするが、ブチャラティが遮り、ジョルノへ続きを要する

「あの船室への入り口あたりにAはいます。それは「確か」です。しかしなぜか「蝿」は見つけられないで方向を見失っているんです。」

「Aが残してくれた……この口紅の「蝿」が飛び回っているところが敵のいる所なんです。Aは先ほど、敵の位置の把握を最重視していた……隠れて襲ってくる敵スタンド…隠れて襲う能力という事は、逆にそれが短所！『謎』さえわかればヤツを倒せるという事です」

Aの残した全てのヒントを手繰り寄せ、ジョルノはそう、しっかりと結論付けた。

「……ケッ、食えないガキだぜ…」

だが…

アバッキオは立ち上がり、ジョルノの方を向いて強く言った

「オレのスタンドなら……奴の正体を暴いて倒すことができる！てめーの役割は終わりだぜ、ジョルノ・ジョバァーナ……そこで景色でも眺めてろ！」

ムーディー・ブルースを繰り出しながら、アバッキオは敵の『追跡』を開始した