【5部】ロキとレクイエム【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ14)

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ムーディー・ブルースの逆襲② ページ14

「敵の謎を今から暴きます、とにかく今は敵の位置が把握できていない。敵の場所がわからない今、こんな密閉空間にいるのは危険だ。今すぐ甲板へ上がってください」

「……」

私の言葉に、ジョルノが何か引っかかると言った表情を浮かべていたが、ブチャラティが天井をジッパーで開いたのですぐに視線を外してしまった

何度もシュミレートしてきたし体験もしてきたが、やはりここは迷うところである。原作通りになったとしても、この戦いで犠牲者は出ない……彼らに経験や考える力をつけてもらう為に、やはり私は離脱するのが得策か？

ナランチャらの3人は私物も何も残さずに消えてしまった。このまま私が消えてはジョルノ達が敵のスタンドに気づくきっかけが残らない。ではそこだけ私は手助けしよう

「ジョルノ」

私はポケットからとある口紅を取り出し、自身の唇へと色をつける。

「……？」

こんな時に何やってんだ、とでも言いたげな表情で全員が私を見つめるが、許してほしい。必要なこと(・・・・・)だから

念のため''今週の分''をあらかじめ塗っておく。この先何があるかわからないからだ。私はジョルノへ口紅を強引に握らせる

「ジョルノ、君ならこの謎が解けるはずだ。後は頼んだ、敵スタンド使いは「君」が倒すんだ…」

私はそう言いのこし、ダッとまっすぐ駆け出す。原作で、ナランチャが引きずりこまれたあのボックス。あそこを目指して突っ走る

完全無防備な私を好都合と捉えたのか、そのスタンド、『ソフト・マシーン』はその左手に持つレイピアで私の肩を貫いた

「ぐっ……ッ」

鋭い痛みが左腕を駆け巡り、私の身体はその穴から空気が抜けたように薄く伸びてしぼんで行く

「A！」

「あの女…ッ」

焦るブチャラティと、クレイジーな物でも見るような視線を送るアバッキオに、やっぱり少し不安になってしまった。

だが、最後にちらりと見えたジョルノの表情が、私の考えを理解し、頼り甲斐のある強い決意を秘めたその瞳が、一度よぎったその不安を全て打ち消してくれた。ああ、やはり彼についていくしかない。

「まか、せた、」

聞こえたのかすらわからないが、パイプの中へ引きずりこまれつつある私の意識はそこで途切れてしまった。きっと彼なら、私の意図を完璧に理解してくれているはずだ。後は彼らに任せるしかない