【5部】ロキとレクイエム【ジョジョの奇妙な冒険】 (ページ13)

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ムーディー・ブルースの逆襲① ページ13

『おいッ！やったな！くらえフーゴ！』

『うわっ、ちょっと二人ともやめてくださいよ！アバッキオ！助けて！』

『喧しいぞてめーら！静かにできねえのか！』

アバッキオの怒号ののち、ドアを勢いよく閉める音が流れる。恐らくこの時点で彼は船室の外へ出たのだろう

「……もう少し先では？」

ジョルノがなんとも言えない表情で、音声だけを頼りにアバッキオへ指摘する

見るなとは言ったが聞くなとは言っていないアバッキオは、不快そうな顔を浮かべながらも『早送りサーチ』をする。

キュルキュルと今は見えない二人と戯れ、ベッドやソファーを荒らし回り猛スピードでリプレイされるナランチャ。直後、突然ナランチャがベッドの下へ潜り込み、そのまま動きが止まる

「……？すまない、巻き戻してくれ」

ブチャラティがアバッキオへ命令し、少しだけムーディー・Bを巻き戻しするとナランチャはベッドの上から狭い隙間へと、ガタガタと音を立てながら潜り込んで行く

『まだこっち見んなよー！』

「……こんな狭い部屋でかくれんぼか」

敵スタンドに襲われているというのにもかかわらず、私の口から思わず失笑が漏れる。ミスタの声が急かす中、ナランチャは完全にベッドの下へ潜り込んだ

『なあー、もういいかよー？探すぜー』

ナランチャの声は聞こえない。するとアバッキオがピクリと反応を示した

「おい！ブチャラティ！リプレイ中のオレのスタンドが船室から外へ出た！」

「何！？」

慌ててベッドをずらし、下を覗き込む。しかしアバッキオの言った通りナランチャの姿はなかった。なるほど…

「私は敵スタンドの正体に大体の見当がついていますが、これは……まさかかくれんぼなんて選んでしまうとは。そりゃこの3人が気付けないはずです」

部屋の中はナランチャ達がふざけていた痕跡以外残されていない。戦った後も、抵抗した後も無く、だ

原作のフーゴが消えたシーンを思い出す。彼のものと思われる吹き出しと、殴り突き破ったような穴の空いた鉄板。原作のフーゴは敵の攻撃に反応し、一瞬だが抵抗はしていた。

「遊ぶ内容が悪すぎたな…」

鬼にせよ、隠れる側にせよ、これじゃ攻撃を仕掛けられても即反応など無理だと言うものだ。この狭い部屋で隠れられる場所など限られている。そんな密閉空間に無防備な自分を押し込めるなど、攻撃してくれと言っているようなものだ。

仕方ない……このまま原作通り彼をかなり痛めつけてしまうことになるが、やむを得ない