検索窓
今日:34 hit、昨日:51 hit、合計:28,477 hit

第四話 桜の恋の自覚。 ページ26



『ただいま』



誰もいない部屋に呟く。



部屋着に着替え、澤村先輩にもらった肉まんを頬張りながら律と話す。



『律〜、今日みたいに勝手に出てきたら駄目だよ〜?』



『バレるんじゃないってひやひやしたんだから』



「すみません・・・でもあんな速攻初めて見ました!」



『やっぱりすごいよね』



『・・・あ、そういえば、律に訊きたいことがあるの』



律「なんでしょう?」



『菅原先輩のことは前話したよね?』



律「いつも一緒に登下校しているあの爽やかな人ですよね」



『うん』



『今日ね、帰り道、菅原先輩にドキッて胸騒ぎみたいなのがしたんだ』



『これってなんなのかな?』



律「Aさん、それはズバリ恋です」



『え?』



律「恋です」



『ん?』



律「Aさんは菅原さんに恋をしています!」



『え?!』



『私が?』



律「最近のAさんを見ていましたが、もう恋する乙女です!」



『・・・そうなのね』



律「はい!そうです!」



ピンポーン



『え?』



誰かと思い、モニターを見ると



『菅原先輩!?』



私は通話モードにした。



『はい、咲花です』



菅原[あ、A、体育館でヘアゴム落してたぞ]



[さっき、返そうと思ってたんだけど忘れてた]



『え、あ、ほんとだ』



いつも腕にしているヘアゴムがなかった。



てか、やばい。



律に言われて、菅原先輩のこと意識しちゃって上手く話せてるか分かんない



『今、鍵開けますね』



[おう]



それから数分後。



玄関からノック音が聞こえた。



『はい』



菅原「急に来てごめんな、はい、ヘアゴム」



『ありがとうございます』



菅原「じゃ、また」



『あの、良かったら』



菅原「ん?」



『よかったら夜ご飯、ご一緒しませんか?』







私今なんて言った?



夜ご飯、ご一緒しませんか?



え。家に上げるって事?



確かに、律と二人で寂しかったけど?



菅原「え!ほんと!?」



やばい。この期待に満ち溢れた目。



なんかここでやっぱりだめっていうのはダメな気がする。































菅原「広いな〜!こんなところで一人暮らしか!」



『あ、あはは』



上げてしまった。



私馬鹿すぎる。



律に助けを求めようと携帯画面を見ると



“頑張ってください”と書かれたノートを持った律が映っていた。



『うう〜』



菅原「え。どうした?」



『なんでもないです〜!』

2→←11



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:名稀ーなきー | 作成日時:2024年2月15日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。