出会い 工藤新一篇 ページ21
[ASide]
『〔輝き続けること。その光を失うことなく、いつも輝き続ける。Aにはすごく強い光が灯ってる。その光はきっといつか、たくさんの人を導き、その心に勇気を与えることができるから〕』
光。
暗闇から、手を伸ばすかのように。迷いを、打ち消すかのように。輝きを、分け与えるかのように。
『時には落ち込んだっていい。苦しんだっていい。ただ、光を失っちゃだめ。――2人は、口癖のようにそう言ってた』
「Aは、光を失わなかったんだな」
『そうだと嬉しいな』
小さく微笑んだ。瞳に、涙はない。
声には出さず、新一に謝る。嘘ついてごめんね。私の両親は、事故や病気で死んだわけじゃないんだ。でも死んだことは事実だし、〔光を失うな〕と言っていたのもまた事実。
けれどもし、組織に目をつけられでもすれば――私だけでなく、新一たちの命が危なくなる。
そのためにも、重要な部分は伏せておかなければいけない。勿論、このことは工藤夫妻にも話していなかった。新一に言ったように、2人にも説明した。
両親が死に、もう1年になるとはいえ――保険としては、もう少し様子を見ていたいというのが現状だった。海外で駆け巡る探偵として、若干名が売れるようになってからは黒の組織への警戒を強めた。
けど、私の周りで不審死は起きなかったし、組織の人間らしき者が接触してきたこともなかった。ひょっとしたら、もう私の両親に関する調査は済んでいるのかもしれない。
それでも、もしもを考えれば秘密にしておくに越したことはない。秘密にしていて、問題が生じることもないのだから。
『この話は終わり!2人が死んだ日、徹底的に泣きじゃくったから、もう泣かないって決めたんだ』
「…そうか。強いな、オメー」
『あは。…でもさ、新一。ひとつだけ、お願いしてもいい?』
「なんだ?」
新一が、3人目だな。――私に同情も哀れみも向けなかった人。1人目と2人目は有希ちゃんと優作さん。…やっぱすごいな、工藤家の人々。
『私と――私と一緒に、笑って。四六時中一緒にいてほしいとか、そんなこと言わないよ。でも、私が笑ったら新一にも笑ってほしい。新一が笑ってたら、私も笑うから』
「あぁ、わかった。約束する。Aが笑ってたら俺も笑うし、泣いてたら俺が笑わせる。必要なら一緒に泣いてやる。だから――輝き続けろよ」
新一の言葉に、私は満足して笑った。
初対面なのに、なんでこうも安心するんだろう。
―――
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美紀 - コナン大好きです漫画とアニメと映画見るくらい大好きです更新大変だと思いますが頑張ってください応援してます (2018年11月10日 10時) (レス) id: 9b074a0665 (このIDを非表示/違反報告)
☆藤井伶菜☆(プロフ) - 高校卒業資格のところですが高橋沙羅じゃなくて高梨沙羅ですよー (2017年2月27日 6時) (レス) id: 685133b627 (このIDを非表示/違反報告)
とみ - 一瞬で気づくのすごい (2016年4月22日 11時) (レス) id: 86e9b475ac (このIDを非表示/違反報告)
PIRANIA同盟 - わぁーーーー!! マジで神小説ですっ!!!! 何度も1から読み返してます…(照/// 応援してます。 どんどん新作出してください!! (2015年10月31日 13時) (レス) id: 6a6985e085 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - ひとつだけ言わせてください!新一はお母さんのことを「お袋」じゃなくて「母さん」って言ってますよぉ。 (2015年5月7日 20時) (レス) id: e6681ad596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaka | 作成日時:2013年5月10日 15時