【名探偵コナン】もう一人の名探偵【劇場版限定】プロローグ

出会い　工藤夫妻篇 ページ5

『うーむ。さすがに英語ばっかで1年って疲れるよね…』

Aは歩きながら、手に持っているアイスを齧った。
彼女の両親の死から、もうすぐ1年が経つ。

Aは、放浪の旅を始めてから2度目のハワイを訪れていた。

『ハワイはやっぱ、ビバ観光地！って感じだよな』

今はもう、両親を思って涙を流すことはない。決意を胸に歩き出したあの日、Aは全てを捨て、外の世界へと飛び出したのだ。

『…父さん、母さん。見ててね』

ぼそ、と呟く。
旅を始めて、最初に行ったアメリカで偶然殺人事件に出くわし、解決してしまって以来、Aは次々と海外で起こる事件を解いていた。

〔世界中を駆け巡る謎の探偵少女〕

その名は、半年とちょっとでネットなどで騒がれる程度には有名になった。

また一口、アイスを齧る。シャリシャリと音を立てて口の中で溶けていく。

次はどこの国へ行こうか、と考えながら、歩道を歩いていくAの前方から1組の男女がやってきた。歳は…女性の見た目が若すぎて、判断がつかない。
どうやら日本人のようで、何か楽しそうに会話している。

Aは何気なく、その日本人男女を横目に見ながら足を進めた。

男女と、Aがすれ違った。

『…そこのおねーさん』
「…え？」

女性が振り返った。Aは向き直り、にこりと微笑みながら言った。

『あなたのことですよ、おねーさん』
「やだ、おねーさんだなんて…」

女性は照れたように笑う。

『いえいえ。とてもお綺麗ですよ。ただ…』
「ただ？」
『ハワイまで来て、食事にカレーっていうのもいかがなものでしょうか？』
「…へ？え、カレー？」
「君…どういうことだい？」

黙って聞いていた男性の方がAに問いかける。

―――
たくさんのお星様に感謝ですm(__)m

出会い　工藤夫妻篇→←出会い　両親死別篇

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す