１６＊莫迦はどっちだ ページ19
例の事件の日、私はその足で特務化へと出向いた。父の件もあってか、割と顔パスされている。そして安吾さんに、父の異能の話をした。そこから色々と教えてもらって、ほんの少しだけ特訓もした。異能自体はチートでも、私が木偶の坊なら意味が無い。
｢クソ、探偵社に新しい怪力が入ったなんて聞いてないぞ！｣
｢そりゃそうでしょ、入って間もないし｣
怪力の異能ではないし。
何度か棒を振り下ろしたが、割とすばしっこい、梶井に当たることがなかなかない。私の経験不足もあるだろうなあ。
その時ふと、車両の扉が開かれた。
｢……？！｣
｢…おかあ、さ、｣
小さな少年だった。どうやら母親を探して運悪くこの車両に来てしまったらしい。
｢いいの見つけた｣
｢なッ、？！｣
｢え、｣
直後聞こえる、ピンッという何かを抜く音。
梶井は何かをその少年に向けて投げた。
黄色い、楕円形の、それを。
｢逃げて！！！！！！！！｣
少年を押した。それは私の目の前に転がった。梶井が口元を三日月のように歪めて笑った。『阿呆だ』というように。それは徐々に白い光を伴って──
ドン
──大きな音を立てて爆発した。
｢アハハ！！少年一人のために！！命を犠牲に！！なんて莫迦なんだ！！！｣
梶井が高笑いをしながら爆破した黒煙の中を覗き見た。刹那、
｢──莫迦はお前だよ｣
｢ッ？！ッガ、｣
梶井の左頬に、右ストレートがめり込んだ。『雨ニモマケズ』発動中だから、かなり痛い筈だ。
｢悪いけどさ、お前が私と
｢なん…なん、で、……ッ！｣
また安全ピンを抜かれた爆弾が私に投げられる。それは勿論私の目の前で爆破した。
｢なんで、って…お前の異能をよく知ってるから？｣
──『梶井基次郎』の『
私は無傷で梶井の前に仁王立ちした。梶井の瞳孔が大きく開かれる。
｢ごめん、私どうもチートみたいで。
お前の異能使っちゃえば、私にお前の爆弾効かないよね｣
なんせ梶井基次郎の異能は、爆弾を作る異能ではなく、檸檬爆弾による爆破のダメージが無効になる能力なのだから。
｢嫌いじゃないんだよ、お前のこと｣
でもね。
｢でもやっぱ、命大事にしないやつは、ぶん殴らないと｣
与謝野先生も、言ってたからね。
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三斗(トリップ願望者)シグマ君は私の精神安定剤 - ええええええ！何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止になるかなああああああああああ‼‼‼作者さん！Come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月24日 12時) (
レス) @page22 id: 1595fb6da3 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - すごく面白いです！更新待っています (2021年8月5日 13時) (レス) id: bd6a8b3525 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ。(プロフ) - はじめまして！読ませて頂きました！！めちゃくちゃ面白いです！主人公ちゃんチート過ぎますね笑 好きです！これからも更新頑張って下さいっ！！楽しみにしています！！ (2019年9月1日 15時) (レス) id: fb79d568bf (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 面白いっ！素敵な作品をありがとうございます。これからも更新頑張って下さい！応援しています。 (2019年8月21日 16時) (レス) id: 2ac506ad59 (このIDを非表示/違反報告)
斑杏(プロフ) - 音奏さん» す、素晴らしいですか！ありがとうございます…！更新頑張ります！コメントありがとうございました！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 757faf627b (このIDを非表示/違反報告)
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