30話 冬の奇跡を ページ34
貴女 side
冬が来て数日。
とてつもない寒波が来ているようで。
今日は都内でもかなり寒い日となった。
貴女「…。」
冬。
何故か懐かしい気持ちになる。
寒い。
こんな思いをした事があるような気がする。
雪。
降り始めたんだ…。でも、私はこれを知っている。
あたたかい。
そう、それは________。
貴女「ッ!!!!」
キーンと耳鳴りがして頭を抑え込む。
痛い、痛い、痛い…!!
貴女「ぅ、ぁ…!」
酷い頭痛の中必死にナースコールを押す。
看護師さんはものの数分で駆けつけてくれたが、それどころじゃなかった。
看「氷崎さん!?氷崎さん!!…!!」
看護師さんの声が遠くに聞こえる。
私の頭の中を走馬灯のように色んな映像が流れていた。
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五条『や、お嬢さん。そこでなぁにしてんの?』
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伏黒『なんかあったのか。…俺でよければなんでも聞くから話してくれ。』
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虎杖『…いや、正直、ビックリはしたけど綺麗だなと思った。』
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夜蛾『…合格だ。ようこそ呪術高専へ。』
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真希『ずりーぞ。棘だけ。おいA、私のことも下で呼べ。』
野薔薇『あ、いいな。私も下で呼ばれたい。』
伏黒『…俺も。』
虎杖『俺も俺も!!』
パンダ『俺だけパンダだから意味ないんだよな。』
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貴女「ッ…はぁ、はぁっ、」
パチンと何かが弾けた感じがした。
あぁ、思い出した。
思い出したよ、みんな。
看「大丈夫ですか!?」
貴女「だい、じょーぶです…記憶、思い出しました…」
看「!先生呼んできますね!!」
なんでこんなに大切な思い出を忘れてしまってたんだろう。
みんなが好きなのに。
何よりも、好きな人がいたのに。
伝えたい。
みんなに。あの人に。
この気持ちを。
ごめんねとありがとうを。
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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=nakano12125 作成日時:2021年5月13日 1時