転生 ページ36
体が動かなくなってきた。
そんな時は思い出してみよう、努力の日々を。
足が動くのを嫌がる時、
そんな時は思い出してみよう、友とのかけがえのない思い出を。
体が重くなってきて思うように動かない時、
そんな時は思い出してみよう、その友が喜んだ顔を。
まだ倒れていない、まだ動く。
まだ倒れていない、俺の限界はまだ先だ。
まだ倒れていない、まだ友が戦っている。
こんな結果じゃ、友は喜ばない、満足しない。
自分のために体が動かなくなった時、思考を切り替えてみよう。
頑張ったら誰が喜ぶのか。
友が喜べば、自ずと自分の幸せにも繋がることを。
喜んで欲しい、喜ばせたい、一緒に喜びたい。
｢ワンチ！！！｣
俺が飛ばなかったブロックに、飛んだ子が声を張り上げる。
主人公じゃない俺に、心を折ってる暇なんかない。
主人公じゃない俺に、落ち込んでる暇なんてない。
俺は俺の意思でバレーを始めて、バレーを愛した。
それなら諦めるな、体を動かせ、思考しろ。
ボールが高く遠くへ。
体が思考を置いてボールを追いかけ始めた。
あぁ追いつけるかな。
いや、追いつくしかないよな。
俺に出来ることって追いかけることだよな。
体に思考が追いついて、ギアが入る。
ーーダァンっ
たった一歩。
大きく力強く、床を踏み締めて
加速させる。
｢
東くんが、ピタリと動きを止める。
あぁ、本当にめんどくさい。
あぁ、本当に苦しい。
苦しいほど愛おしいボールを無我夢中で追いかける。
俺の原点は、·····
俺の
腕を伸ばせ、触れろ、触れ！！
トンっ·····
手にボールが触れた、
上げろ上げろ上げろ上げろ上げろ上がれ！！！
ボールよ、飛べ！！！
｢ん”なぁっ！！！！！｣
ボールは高くコートの方へ。
俺は自分の勢いを止めるすべなんて知らず、
飛び込んだ勢いをそのままに床をスライディングしながら背中が壁に激突する。
｢“
頼む、北斗くん
南くん、
決めてくれ、
この際神様でも女神様でもいい、
微笑んでくれ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 345人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
