転生 ページ35
4セット目
17-24巻き返され白鳥沢有利
あれから白鳥沢の守備は分散し、最大でブロック2枚になった。
止めるより触る。
いとも簡単に、俺や南くんの攻撃に対処する。
さすがは王者。
俺たちのブロックに対してもブロックアウトがメイン。
コートの中外関係なく走らされる。
そのため2セット目の後半はラリーが長く時間がかかる。
その分負担も増え、体力は削り取られていく。
みんなの体力がどんどん無くなっていく。
人一倍体力のある俺でも、かなりの消耗。
足に上手く力が入らない。
太ももは震え、強ばり始める。
苦しい時間が続く。
囮も騙しも、時には切り捨てて
王者はそこに居た。
これが絶対王者なのか。
｢っらァｯｯ！！！｣
ﾄﾞｯﾊﾞｧ
｢ワンチ！！｣
また止められる。
また決まらない。
エースがなんだ。
ただの雑魚じゃないか。
漫画とかの主人公ならここで決めて、流れを変えられるのだろうか。
アニメとかの主人公ならここで決めて、仲間を鼓舞するのだろうか。
あぁ、
そうだった。
俺は主人公では無いんだった。
体力はもう残り僅かってところ。
疲労は重たく体全体に乗りかかってくる。
ーーーもう、限界だ·····。
体と心は比例している。
心が止まってしまえば、体は動かない。
心が疲れてしまえば、体も疲れてくる。
心が呼吸を忘れれば、体も呼吸を忘れる。
｢おい新星、下を向くな。ボールは上だ。｣
北斗くん、
｢疲れたか？少し休んでろ、俺がその分飛んでやる。｣
南くん、
｢ワンタッチは任せて、僕は新星くんに教えてもらった一番弟子だから。｣
東くん、
情けない。
弱い。こんな自分いらない。
必要ない。
限界がどうした。
主人公じゃないからなんだ。
己の限界を己で決めるな。
その限界はただの一線にすぎない。
本当の限界を思い出せ。
吐くまで走ったあの毎日、足が動かなくなるまで走ったあの毎日を、母に不審がられながら続けたあの毎日を、光る靴で走り続けたあの日々を、コーナーがない土手をコーナーで差をつける靴で走り続けた日々を、リベロからウィングスパイカーになった日を、サウスポーに切り替えようとダンベルを振り回した日々を、重りをつけて走り続けた日々を。
バレーをしたいと思ってしまった
バレーをすきだと自覚した日を。
友達から
動き出せ、思い出とともに。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
