願望 ページ30
ーーー｢俺のボールに合わせろ！！！｣
コート上の王様が生まれた。
孤独で独裁的な政治の王様。
あんなところは絶対嫌だ。
もっと、····王様と言っても
ナツメのような自由な王様がいい。
怪物、超新星、怪物の王者…そんな風に呼ばれるナツメ。
あの王様が烏野に来るのは嫌だなぁ。
そんなことを思いながら王様を見ていた視界の端にナツメがいた。
王様に対して呆れたような冷たい視線を向けていた。
あの目でナツメに見られるのは嫌だなぁ。
ナツメはその場からそっと離れた。
隣に居たスパイカーと一緒に。
僕は立ち上がった。
｢あれ、ツッキー？どこか行くの？｣
｢ナツメのとこ。｣
それだけ言うと僕はナツメのあとを追った。
ーー
｢ナツメ。｣
｢おー、蛍。どうした？なんかあった？｣
柔軟をしていた彼に話しかける。
｢…いや、王様のやつ、見てたでしょ。｣
｢あー、…勿体ないよね。｣
勿体ない？
｢なにが？｣
ナツメは、んー…と少し上を見て考えてからこう言った。
｢あんなに技術あるのに、言動というか…なんだろう。
工夫の仕方が勿体ない…みたいな？？｣
そこまで言ってまだ納得していないようで、あー…と言いながらまだ考えている。
｢技術はあるけど、それを自分の行動とかのせいで全部潰してしまっているところかな。それが勿体無いって俺は思う。｣
藤色の瞳がまっすぐ僕を見る。
それは僕にも言っているのかと思うように、真っ直ぐ。
｢…それ、僕にも言ってる？｣
｢んまぁ、…でも蛍は少し違うかな。｣
ナツメは少し微笑んで
｢蛍は本気になっていないだけでしょ。好きになるタイミングさえあればきっと変わる。だから違う。｣
そう言われた。
僕は分からない。
たかが部活なのに、なぜそんなにも楽しそうに
本気で、自由になれるのか。
どうせ負けるのに。
僕には分からない。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
