転生と王様 ページ28
セミの最盛期。
外は溶けそうなくらい暑く、盛んな声で盛り上がっている。
そしてもうひとつ夏に負けないくらい盛り上がっている場所がある。
それは体育館。
県大会の出場権を得た俺たちは、またこの会場へ足を運ぶことが出来た。
蒸籠の中のように熱く蒸された空気。
同世代の各地域大会を勝ち抜いた猛者たちが、
今か今かと試合の時間を待ち望んでいる。
膝の調子は良好。
体調最高、思考も視界も鮮明。
大丈夫。俺は大丈夫。
自己暗示、自分の出来る姿を想像しシュミレーション。
大丈夫。俺は今日も自由だ。
なぁ、ところで未来の俺よ。
俺はもう既に前世と比べ物にならないくらいの大切な思い出を持っている。
その思い出は未来の俺の足を前に動かす励みに、
苦しい時の呼吸する場所に、
焦がれるほど戻りたいと思える青春になっていますか。
ーーー
いる。
あいつはいる。
この会場のどこかに、新星ナツメがいる。
同年代でずば抜けたセンスと才能と直感を持ち、折れない精神力も持ち合わせ、それを惜しまずに使い発揮する天才と言う名の怪物がいる。
膝の怪我から復帰した怪物。
俺は今日勝ち抜いて、あいつにリベンジし、
勝って白鳥沢と戦う。
壁は高いが何とかなる。
俺のトスがあれば。
俺のトスで、勝ちに行く。
ーーー
様々な思考がぶつかり合うこの会場で
勝てるのは1チーム。
勝利の女神が微笑むのは王様か、超新星の怪物か
…はたまた別の怪物なり得る人物なのか。
女神と勝ったチームのみぞ知る。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
