銃口 ページ39
鬱「そんで問題はここからやねん。我々国は3日前に、新兵を入れたばかりなんや。……あんまり仲間を疑いたくはないねんけど、その中にフィルソ国のスパイがいるって可能性も否定できんのや」
『……だからわざわざここまで来たんですね』
確かに城の中の射撃場は、きっと何人もの兵がいる。
その中にスパイがいるかもという状況では、とても練習どころではない。
鬱「だからAちゃんも、なるべく幹部の誰かと一緒にいるようにしてや。……といっても、もう既にシャオちゃんと一緒やねんけどな」
シ「説明はこれくらいでええやろ。ほな、練習始めるで！これでも大先生は、ガバんなければ射撃はゾムと同じくらいの実力やからな！ガバんなければ」
鬱「シャオちゃん冷たい……」←
シ「じゃあさっそく、その銃を俺に向けて発砲してみ！」
『え……！？』
これ、本物の銃だよね……！？
もし当たったら、怪我どころじゃすまない。
私が目を丸くしていると、後ろから鬱さんが優しく声をかけた。
鬱「あー、安心してええよ。中の玉はゴム弾やから、当たっても怪我はせん。ただ本物の銃と重さはほぼ同じにしとるし、火薬も入ってるから弾の速さとかは本物と変わらへん、ちゃんと反動もくる。言ってみれば、相手が死なない銃やな」
『そう、なんですか？』
鬱「それにシャオちゃんは簡単に当てられへんよ。とりあえず銃の撃ち方とか見ていくから、安心して撃ってみ」
目の前のシャオロンさんは、楽しそうに笑みを浮かべてシャベルを構える。
私は恐る恐るシャオロンさんに銃口を向けた。
……シャオロンさんに銃口を向けるのは、これで2度目だ。
でもあの時は撃つ気はなかったし、今までだって本気で撃とうとしたことはなかった。
私にとって、拳銃はただの脅し道具。
相手を威嚇するための、偽りの刃だ。
でもそんなものは、本当の戦場で全く歯が立たないのだと。
……震える私の腕がそう物語っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 273人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - hatunefranさん» 少し調子にのってしまいました← ありがとうございます！自分ではあまり自信がないんですけどね(苦笑 (2018年12月11日 18時) (
レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
hatunefran(プロフ) - タイトルのところが絵になってる！！つか、絵上手！ (2018年12月11日 17時) (レス) id: 674bbad439 (このIDを非表示/違反報告)
hatunefran(プロフ) - シリウスさん» 気にいってくれたのなら幸いです！今度は、別の小説の方の夢主も作ろうと考えています (2018年11月24日 12時) (レス) id: 674bbad439 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - hatunefranさん» え、めっちゃ可愛い……← ありがとうございます！このような夢主ちゃんの画像が来たのは初めてなので、とても嬉しいです！ (2018年11月24日 8時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
hatunefran(プロフ) - シリウスさん» http://uranai.nosv.org/uploader/common/6/9/6/6967f861302983377b211eba080f315d.png 見れますか？ (2018年11月24日 0時) (レス) id: 674bbad439 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
