不在着信 ページ25
シ「じゃあ、飯の時間まで」
皆が自室に戻った後、私も一番奥の自室の中へと入った。
扉を開けた瞬間。
鼻に届く、ジャスミンのような香り。
……というかこれ、トイレの消臭剤の臭いじゃない？
隣だからこっちまで臭いが来てるのかな？
『……まぁ、シッマの部屋の臭いよりはマシか』
ため息をつきつつ、部屋の窓を開ける。
外の空気をいっぱいに肺に送り込んだ後、ゆっくりと部屋を見回した。
『全体的にホコリっぽいけど……特に変わった様子はなさそう、かな？』
机と椅子の上のホコリを落としてそこに鞄を置いて腰を下ろす。
皆には悪いけど……昼食代わりの菓子パン食べよう。
だってあんな変なの食べたくないもん←
甘い菓子パンを口に含みながら、なんとなくスマホの電源をいれる。
『ちょッ！？不在着信32件って……』
しかも全部お母さんからだし……。
前から思ってたけど、お母さんの心配性異常すぎじゃない？
部活はないけど帰り遅くなるって朝言ったのになぁ……。
取りあえず発信ボタンを押して、スマホを耳に当てる。
すると3秒もたたないうちにスピーカーからはお母さんの声が聞こえてきた。
「もしもしA？今どこにいるの？友達と一緒？学校で遊んでるの？」
『ちょっと落ち着いてよお母さん！それに、今日は帰りが遅くなるって朝言ったでしょ！？』
「だって誰と、何処で、何時に帰るか言ってなかったから……」
『小学生か！！』
「今どこなの？ママが車で迎えに行ってあげようか？」
『いい加減それやめてよ！高校生にもなって親が迎えに来るとか恥ずかしいし……って、そうじゃなくて！今日は泊まるから家に帰らないよ』
「えぇ！？泊まる！！？何処に？誰と？」
キーンと響くお母さんの声に顔を歪める。
……といっても、なんて言おう？
本当のことを言ったら心配してすぐに迎えに来そうだし、
友達って言ったら、絶対その友達の家に連絡するだろうし……すぐに嘘だってバレちゃう。
シッマの家にいるって言ったら、お母さんも久々に話したいからとか言って来ちゃいそうだし……
『……そう、ショッピにぃ！！宿題にわかんない問題があったから、ショッピにぃに教えてもらうの！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤井司(青八木零)(プロフ) - シリウスさん» 是非！！！！ (2019年6月27日 14時) (
レス) id: 32189bcc43 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - 赤井司(青八木零)さん» 寧ろ描いてくださるんですか！？嬉しいです！是非お願いします！ (2019年6月26日 7時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
赤井司(青八木零)(プロフ) - あの、出来たらでいいのですがイメ画を描いてもええですかね？是非描きたいです！ (2019年6月26日 0時) (レス) id: 32189bcc43 (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - ネコの大罪さん» コメントありがとうございます！今までずっと気づきませんでした……ご指摘ありがとうございます！この作品を読んでいただき、ありがとうございました！ (2019年3月7日 18時) (レス) id: 6232b3f710 (このIDを非表示/違反報告)
ネコの大罪(プロフ) - クトゥルフを再現できていて面白かったです。後、細かいですが案内2のシャオロンの「重い｣が「思い｣になってる気がします。今さらですが指摘してみました。本当に細かくてすみません。 (2019年3月7日 15時) (レス) id: 340e6375ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
