ゲーム大好き声優です 3

告白 ページ19

中村side





あれから度々無言の瞬間があったが、なんとか拙い会話で繋ぎ、ようやく家に着いた。

決心は…ついた。




中村「えっと…家、来ない？」




ここで、マイク前みたいなかっこいいセリフは出ないのが声優の憎いところだ。




田中「私もそう言おうと思ってました」




恥ずかしそうに、にこっと笑ったA。
でも、どこか緊張している。

そんなAを見て俺もあまり感じてなかった緊張感が一気に押し寄せた。




中村「…どうぞ」




ドアを開け、家の電気をつける。
もちろん誰もいないので、無音。
テレビをつける空気でもない。
そんな乾いた空気にまた緊張がはりつめる。


適当に座ってと言いかけた瞬間、Aがフローリングの上に正座した。
俺もつられて正面に正座する。


…いざ、この状況になると言葉は出てこなかった。
明らかに目が泳いでしまう俺に対し、Aは何も聞かず、話さずただただ待ちわびるように微笑を浮かべ俺の眼をまっすぐ見つめた。

その瞳に引き込まれそうになる。




中村「…あー……俺はお前が好きだ。」




恥ずかしくて目も見れず、顔も見れず言った俺も、さすがに無言に耐えれず恐る恐るAの顔を覗き込む。

すると、そのうるっと澄んだ眼を輝かせながら満面の笑みで言った。




田中「私も中村さんのことが好きです。」




ずっとクヨクヨ歳の差で悩み、何もできずにいた自分がバカらしくて、笑いがこみ上げてくる。




中村「くっはははは笑 あーなんか俺、本当かっこわる笑」


田中「中村さんはかっこいいですよ」




少し顔を赤く染めながら、優しい笑顔でそう言った。

こいつの方が俺より何枚も上手のようだ。
ゲームと同じく。
でも、ここだけは俺に上手く決めさせてくれ。




中村「こんなゲームばっかやってて、ふがいないおじさんでよければ……

















「 俺と付き合ってください。」

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