ゲーム大好き声優です

すまん。 ページ12

杉田side





中村が田中さんを追いかけ出ていった後、俺は先輩からの視線を感じていた。




神谷「え、杉田くん。今の何？」




神谷さんは単純に俺が中村に言ったことを不思議がっているようだった。

そこで、俺は中村がオーディションでたまたま聞いた彼女の声に惚れてしまったことを、神谷さんに軽く話した。




神谷「なるほどねぇー。中村くんがねぇ…笑」




ニヤニヤしながらいう神谷さんをみて、俺は思った。
すまん。中村。話す相手を間違えたようだ。

そこにたまたまタイミングよく田中さんと中村が帰ってきた。

神谷さんは中村を見るとすぐに中村の元に走り、言った。




神谷「中村ぁぁ！今日ご飯に行こうかぁ！」




明らかに先ほどとテンションが変わっている神谷さんをみて察した中村が、すごくこちらを睨んでいる。
…後で謝ろう。




中村「最近(ゲームが)忙しいので、残念ですけど遠慮しときます！」




すごい良い笑顔でそう答える中村。逆に怖い。




神谷「中村くんだけじゃなくて、杉田くんもAちゃんも！」




中村に負けない笑顔で神谷さんが答えると、中村の眉毛がピクッと動く。
予想通りの動きを見せた中村にほくそ笑むと神谷さんはそのまま続けた。




神谷「あ、それでも来ないのかなぁー？僕先輩だよぉおー？ははっ」



笑いが乾いている…。

しかし、それを言われてしまうとお世話になっている俺らは何も言えない。
無言で固まる中村。
それを見て嬉しそうな神谷さん。
なぜだか満面の笑みを浮かべる田中さん。

…まぁ、田中さんが嬉しそうなので良しとしよう。




神谷「ハイ、決定！Aちゃんどこか行きたいところある？」

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