検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:27,524 hit

58 ページ19

「どういうこと?」

イノオが首を傾げる。
その動きで、茶色い髪の毛に当たる陽の光が移動して、薄い金色に煌めく艶がさらりと揺れる。


「ゆうとにも言ったんだけどさ、ゆうと、あそこは傷ついた涼介をただ黙って抱き締めてあげるべきだったんだよ」

…光の思考は基本的に乙女だ。

「なのにさ、何か急に敬語で『くるすけ先生、落ち着かれましたか』だって。なんだあれ」

「…だって、まずは編集者として作家さんのメンタルケアをしなきゃって」

「ちげーだろ!涼介にとってお前は、編集者じゃなくてまずは恋人なんだろ」

大声をあげた光の前で、中島は尻尾を下げた仔犬のように悲しい目をした。

「でも俺、仕事に公私混同はしちゃいけないと思って…」


「だから何なんだよコーシコンドゥーって!何語だよ!そもそもお前、人のメンタルをケアできるほど自分のメンタル安定してねーよ!」


うん、何となく状況はわかった気がする…。
(光に四字熟語が難しいこともわかった。)


確かに、涼介にとって必要なのは、あまり使えない新人編集者としての中島よりも、自分を癒してくれる恋人としての中島なんだろう。
(いや、でも、この男、側にいてもあんまり癒されそうな感じはしないが)

あの人の言葉に傷ついて出ていった涼介に、中島は涼介の欲しい言葉をかけるどころか、何でか距離を置くような態度をして、涼介は更に傷ついたということらしい。

涼介は拗らせるとなかなか難しいところがある。
小さい頃から知ってる俺や光でも、初動を間違えるとややこしいことになる。




「もう、失格だよ」


「「「え??」」」


「涼介の恋人として、ゆうとは失格」

イノオがため息と共にきっつい一言を放った。

「こんな事じゃ俺の大事な涼介を任せられない」


え。

59→←57



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (126 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
197人がお気に入り
設定タグ:やぶいの , ゆとやま
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

めめめ(プロフ) - 夏夢さん» 好きと言っていただけて嬉しい!私もかむちゃんワールド大好きです!ゆーと、あんなに素敵なのに私の手にかかると不憫だったり変態だったりほんと申し訳ない (2022年2月14日 15時) (レス) @page27 id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
夏夢(プロフ) - ああいるわーこういうタイプぅ…呟きながら読んでしまったゆーとさん😅も、ホント好きですめめめさまワールド💕💕 (2022年1月29日 22時) (レス) @page26 id: 5f3d433f1b (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - みるみるみるきーさん» ゆやさんの年齢!考えてなかったぁ笑!うーん、多分魔法がかかってる感じかな?笑 (2022年1月29日 18時) (レス) @page26 id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - やだっ!なに?謎が深まってんじゃん!で、ゆやママは一体幾つの設定なの?? (2022年1月29日 16時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
めめめ(プロフ) - 夏夢さん» ふっふっふ何故でしょう (2022年1月27日 23時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めめめ | 作者ホームページ:http//  
作成日時:2020年8月6日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。