君のそばで【呪術廻戦】

第9話 ページ10

〜恵side〜




……帰りたい｡

いや､帰らなくてもいいが今すぐこの場を離れたい｡


任務で仙台に来たはよかったものの

色々あって傷だらけになり､極めつけは横抱き(俗に言う姫抱き)で空を飛んでる始末｡

しかもされる方｡最悪だ｡

この状況をあの人が見てないだけが救いだな

見てたら絶対にからかわれてたに違いない｡

腹立つニヤケ顔が目に浮かぶ。


伏黒「A､そろそろ…」

俺を抱えている相手AAに声をかけた｡

これ以上この体勢は身が持たない｡色々な意味で｡


A「あぁ､ごめん｡人がいなさそうな場所探してたから､すぐ下ろすね」


Aはそう言うと人通りの少ない場所にある公園へ下りた

俺の傷の手当てをするつもりらしい｡

しかしそういう訳にもいかない｡


伏黒「手当てくらい自分で出来る｡」


地面に下ろされるなりそう言ってAの申し入れを断った｡

だが､

A「でも頭だよ?自分じゃ､やりづらいと思うんだけど…

確かに硝子さんよりは上手くないかもしれないよ？

でも私だって人並みくらいの手当てスキルはあるし」


──つまりどうしても手当てさせてほしいらしい｡

そういうことじゃないんだが…

結局手当てはしてもらうことにした｡


俺はつくづくAに弱い気がする｡

宿泊先の件だって言い出したのは自分から｡

しかし､その後の反応が可愛いと思ってしまったから

まともに顔見れなくなった｡


出会ってからずっとこんな調子だし､もしかしたら自分で思ってる以上に


…アイツに惚れてるのかもしれない｡

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