抱えた闇は知っている Ｆirst,Story

20＊退学 ページ25

［SIDE:K.W］


あくる日。

オレは、浜田に登校した。

アーヤの不思議な言葉の意味を知らないままで。

チャイムがなり、先生が入ってくる。

けど、アーヤは登校していなかった。

遅れか？

珍しいと思った。

「皆さん、今日は残念なお知らせがあります。

　立花さんが退学なさいました。」

は？

退学？

アーヤが？

「どういうことですか？

　理由は？」

落ち着きを失い、席を立つ美門。

「家庭の事情としか聞いていないわ。

　深探りはよしなさいね。」

なんだよ。

もしかして、『明日居なくなる』の意味は…。

きっとアーヤは俺らに助けを求めてたんだ。

だから、あんなこと言った。

「すいません先生。

　保健室行ってきます。」

オレは、立ち上がった。

アーヤの家に行くため。

アーヤの家はここから近い。

すぐ着くはず。

……………

ウソだろ。

アーヤの家について絶望した。

アーヤの自転車も、
アーヤの部屋のピンクのカーテンも。

無くなっていた。

まもなくして美門も来た。

「美門…アーヤが消えた」

『は？』美門がそんな顔するのも仕方ないと思う。

だって、俺達の仲間が目の前に居ないだから。

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