抱えた闇は知っている Ｆirst,Story

18＊どんな家？ ページ23

［SIDE:A.T］


「新しい…家族。ですか？」

“えぇ。”と由利さんは言った。

「貴方が受けたキズや、
　家庭の状況をその人たちに話したのよ。

　あっ、その人達ずっと養子縁組を希望してたの

　だから、貴方のことを話した。

　是非、私達にその子心の傷を治させて下さい。

　そうおっしゃったのよ。

　だから貴方はラッキーなのよ。

　不幸中の幸いね。」

“心の傷を癒やさせて下さい。”

ふざけてると思った。

私は、絶望でいっぱいなのに。

癒せるわけがない。

「あの…。

　どこらへんにあるんですか？

　その…新しい家って。」

そっと前を見ると、由利さんは笑ってくれた。

「実は、県も市も変わらないのよ。

　でも、元の家に簡単に行けるー
　って距離ではないわよ。

　一応、遠いんだから。

　前の家を思い出させないようにはしてるわ。

　それより、彩ちゃん、寝といたら？

　休憩。しときなさいね。」

どんな家なんだろう。

どんなママなんだろう。

どんなパパなんだろう。

気になるな。

そんなことを考えているうち、私は眠りについた。

19＊新しい家族→←作者から（お礼）

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