抱えた闇は知っている Ｆirst,Story

15＊うそつき ページ19

［SIDE:A.T］


「うそつきだね。」

呟いた。

「どうせ皆で組んでるんでしょう？

　こう言え。ああ言えって。

　平気でウソつくんだ。」

私はウソが嫌いになった。

ママに裏切られてから。

「そんなことないよ。アーヤ。

　学校の出来事は聞いたけど。」

甘い言葉で囁いたつもりの黒木君。

「私は、何も話さないから。」

ふいに、事件ノートを持っている手を見た。

アザでいっぱいだった。

このアザももうすぐ消える。

「アーヤ、俺達一応心配してるんだ。

　お前が学校で言った『明日居なくなる』って。

　その意味が知りたいんだよ。

　俺達に相談してくれよ。」

泣きたかった。

泣きまくりたかった。

でも、もう心配かけたくないんだ。

ごめんね。

私は今から、嘘をつく。

「私は、明日kzを退団しようと思うの。」

なんで私は、こんなに軽くウソをつくのかな。

「ウソだろ。」

「アーヤ冗談はやめてよ。」

「立花にとってkzはそんなもんか」

「アーヤどうして？」

「なにかやりづらかった？」

その言葉が私を苦しめるんだよ。

優しすぎるから。

「もう、アンタ達と話したくないから。」

名前を呼ぶ声も聞かず、私はその場を去った。

私の頬を涙が伝った。

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