なかちょろ夫妻の日常2【中村悠一】

独占欲 ページ39

Yuichi.N side


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『ん…何時だ……？』





枕元に置いてある携帯を手に取り
現在の時刻を確認するとまだ朝の5時





俺の腕の中で熟睡しているAを
起こさないようにそっと寝顔を見守る






『寝てるとより幼く見えるな。笑』





Aの小さな身体を腕の中で包み込むたび
守ってやりたいって気持ちが大きくなる





『可愛い……』





そして、久しぶりに見るAの寝顔に
普段滅多に言わない言葉が不意に溢れた





「寝てるぐらいが大人しくて丁度いいな。笑」





寝ているAの頭をそっと撫でる





「んー…」


『起きた？おはよう』


「ん……はよーっ」






寝起きでまだ頭が回っていないのか
舌足らずで喋るAが愛おしかった





「何時…？」


『まだ5時』


「んーーっ」





まだ眠たいのか俺の胸に
頭をグリグリと押し付けてくる






『そんなグリグリしたら痛いって。笑』


「痛くないの…！」


『痛いって。笑』





俺の気持ちなどお構いなしに胸の中で
居心地の良いポジションを探しているA





『何、珍しく甘えたなの？笑』


「…ダメなの？」


『ダメではないけど。笑』


「悠一の匂い好き」


『そりゃ、どうも。笑』





少し照れくさくなり笑って誤魔化す





「ねぇ、少し減量する？」


『はぁ…？何でよ。笑』


「だって、最近ふくよかじゃない？笑」


『それは料理が美味いから仕方がないだろ？笑』


「それはそうだね。笑」


『少しは否定しろよ。笑』





俺がふくよかな原因をあげるなら
それは確実にAの手料理のせいだから






.







『遅くなってすみません。』


鈴村「全然大丈夫やで。笑」


「嬉衣ちゃーん、遅くなってごめんね」


嬉衣「ままーっ！」





微笑みながらトコトコと駆け寄ってくる嬉衣と
感動の再会を果たしているAを横目に
俺は鈴村さんにお礼込みのお土産を手渡す






『これお土産です。笑』


鈴村「無事に仲直りしたみたいで安心したわ。笑」


『ご迷惑おかけしました。笑』


鈴村「おっ………中村ここ」


『へっ？』





鈴村さんが自分の首を手で触れて
俺に何かを伝えてくる







鈴村「キスマーク。笑」


『へっ？……あいつ…！いつの間に！？』


鈴村「意外とAも独占欲強めなんだな。笑」


『普段なら絶対しないのに。笑』





うちの嫁はやること全てが愛おしいんだよな





『マーキングしなくても俺はお前のだよ。笑』

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