なかちょろ夫妻の日常2【中村悠一】

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Yuichi.N side


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『迷惑かけてすみません』


鈴村「これぐらい全然ええって。笑」





笑いながら俺に珈琲を出してくれる鈴村さん





鈴村「俺も家に帰ったらAと嬉衣が居たからびっくりしたわ。笑」





現場が一緒だった真綾さんがAの様子が
いつもと違う事に気づき家に連れてきたらしい





鈴村「中村も心配してると思って連絡しようとしたらAに怒られてな。笑」


『そうですか…」


鈴村「逆に心配かけてすまんな」


『いえ…』


鈴村「それにしても2人が喧嘩なんて珍しいやん」


『喧嘩…？』






俺には喧嘩した覚えはなかった






鈴村「たまには夫婦の時間も大事やで？」


『夫婦の時間…』






朝のAの様子を思い出してみると
Aが俺に求めていたことが理解できた





『鈴村さん、嬉衣のことお願いしてもいいですか？』







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「……ん、？」


『起きた？』


「あれ……？」






寝ているAを車に乗せ
暫く走らせていると目を覚ますA






「えっ！？、な、なんで！？」


『全然帰ってこないから迎えに来ましたけど。笑』


「えっ、嬉衣ちゃんは！？」





周りを見渡し嬉衣の姿を探す





『心配しないでも鈴村さんに預けてある』


「待って待って！何で高速乗ってんの！？」





先程まで一般道を
走っていたが高速道路に乗り換える





『久しぶりに2人でドライブしようと思って。笑』


「別に高速に乗らなくてもいいじゃん！」


『たまにはいいじゃん。笑』


「よくないよ…早く嬉衣を迎えに行かないと鈴村さんに迷惑かけちゃうよ」


『鈴村さんには後でお土産買ってけばいいよ』


「でも…」


『それにこうでもしないと俺から逃げるだろ？笑』


「…っ」


『図星かよ。笑』






なんだかんだずっと一緒にいるから
考えていることは大体分かっているつもり






『Aが思ってる事、全部俺に言いな』


「…っ」





降りたくても降りる事のできない
夜の高速道路を走る車内には無言が続く





『俺に対して不満があるなら直すから』


「……あのね、不満とかじゃなくてね」


『うん』


「私が考えてる事を言ってもいい…？」


『うん。いいよ』






重い口をやっと開いたと思えば
予想にもしていなかった言葉が聞こえてた







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「あのね………私たち離婚しようと思うの」


『……へ？』





突然のAの言葉は
頭を鈍器で殴られたような強い衝撃だった

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