嘘264 ページ4
渦巻いた炎が、私を中心に広がる。
それは頭上で細くなっていき、炎の放出量もだんだんと少なくなっていく。
「……ほぅ、トゥリニセッテの大空が揃っているとは。これまた、懐かしい感じがする」
それは人の形を作り、私の隣でふわりと浮かんでは佇んでいる。
まさか、本当に成功しちゃうなんて。あの時みたいに失敗するかと思った。
ひくりと口元が上がる。
それは白蘭にユニ、そして綱吉を見てから私を見やった。
「して我が子よ、あの巫女を守れば良いのか」
「…うん。誰も殺さずに、私と一緒にユニを守ってほしい」
「難しい要望だな……だがまぁ、不可能ではない。良いだろう」
「……ありがとう、
「あの時お前を泣かしてしまったからな、同じ過ちは繰り返さない」
だから笑っていろ、と頭を撫でられる。そして、人の形から水で出来た龍へと姿を変える。
神様らしく、傲慢でいればいいのに。水龍はやけに情の深い神様だ。
白蘭と向き合う。
「言わなくても分かるだろうけど、あんたのだーいすきな神様はあんたを気に入ってないご様子よ」
「まさか僕も本当だと思ってなかったけど……へぇ、すごいや。
これで君と僕が戦うってことだね？」
「……勘違いが過ぎてるね、あんた」
はぁと息を吐く。
私とあんたが戦っても、こっちは負ける。それに一人忘れてる。
「私はあんたを倒せない。 それにこの結界は頑丈だから、今あいつらが頑張っているけど時間はかかる。それまでに私はあんたに何回もぶっ殺される。外の連中も、あんたを倒せない…そうでしょ」
「その通りだ」
リボーンが私の言葉に同調した。
「お前を倒すのはオレやAじゃねぇ、ツナだ」
「……え？」
呆気にとられ、白蘭が間抜けな声を出す。
その隙に私は足を引きずりながらユニを囲む水龍の元へと行った。
「綱吉クンが、僕を倒すと言ったのかい？」
「そうだ」
「何を見てたのリボーンクン。綱吉クンはさっき完全に壊したよ！」
確かに綱吉はもう炎を灯してない。けど、彼がこの場ではボンゴレ10代目という事実は変わりない。気に入らないけど、あいつは私のボス。
あー、嫌になるね本当に。
「ツナの死ぬ気をなめんじゃねぇ。第1勝てるかどうかなんて言ってんじゃねーぞ。
ツナ、お前は白蘭を倒さなきゃなんねーんだ」
「……ぷっ、アッハハハ！ ビックリだな！！何を言い出すかと思えばこのご時世に『ねばならぬ』のド根性精神論かい！？」
「これがオレのやり方だ」
リボーンは続ける。
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作者名：白黒箱 | 作成日時：2018年9月7日 16時
