嘘263 ページ3
「いや、普通にそれ飲むの勇気いるっすよ」
「？…美味しい、よ」
「うーん…ニアンって相変わらず味覚ぶっ飛んでるよね」
「君達本当に愉快だね、見てて飽きないよ」
「ところでお前ら、手に力入れすぎな？」
ワイワイと目の前で騒ぐ五人。戦場なのに、おかしいな。
そうだ、昔も幸せだった。こうやって笑い合える人がいたから。
「……良いのかな」
「A…？」
「………私、いっぱい殺してる。数え切れないほど、それが罪だと思ってた。
私があんたら助けたのも、ただの自己満足のためなんだ。そういう汚い大人と一緒なんだよ。
それでも……生きてて良いの？
生きたいって、思っても良いの…っ？」
涙が、ぽろぽろと溢れ出す。それでも、目の前の五人の顔がはっきりと見えて。
あぁ、嫌だな。こんな大事な存在、手放したくない。そう思ってしまった。
五人は、少し顔を見合わせて笑った。
＿＿＿＿帰ろう、一緒に。
揃ったその言葉に、堰を切ったようにボロボロと。
子供のように泣いてしまう。
それを服の裾で拭う。
「……帰るよ、必ず。一緒に。
だからもう少し、頑張らせて」
「…分かった。俺たちにできることは？」
「結界を壊して欲しい。ユニを安全な場所へ行かせなきゃ」
手を、ゆっくりと離す。時間を惜しんでいる暇はない。
情けないところ見せちゃった分、ちゃんとそれなりに働きをしなければ。
足が折れても、それがなんだ。痛い、けど動ける。
「アッハハハハ！！！ 面白い家族ごっこだ！！
君は本当にっ、ユニを救う気なんだね？」
「あんたに、関係ない」
手を組んで、息を吐く。
一か八かだけど、やってみるしかない。
お願い、神様。
幸せを願うなんてしないから、自分で掴み取ってみせるから。
力を貸して。
「【
空気が、変わった。
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作者名：白黒箱 | 作成日時：2018年9月7日 16時
