【REBORN！】嘘つき兄妹8 ―未来編― (ページ18)

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嘘278 ページ18

「よーしみんな揃ったね！！そろそろ出発だがボンゴレ匣は未来へ置いていってもらう。
取り外してくれ！！」

なんでも過去に存在しないものを持ち帰るのは時空間に乱れが生じてしまうらしい。仕方ない、と思い甘えるようにすり寄ってくるスクオロルを優しく撫でた。

「…元気でね」

その言葉に鳴き声をあげ、スクオロルは私の肩に乗って頬ずりを最後にしてきた。
雲雀恭弥を見てみればロールが手にすり寄っている。表情は穏やかそのもので滅多に見せない笑みを浮かべていた。…あのひと本当は小動物好きなんじゃないか？

「ところで兄さん、そのもみじ大丈夫？」
「…普通自分よりガキをマジで殴るかよ」

いてて、と未だに頬を冷ましている兄さん。
エリーサに失言をしたせいで思い切りビンタをかまされたのだ。エリーサとラル・ミルチって似てんのかもな。口調も女らしいとは言い難いし、雰囲気も似ている。あとお互いに好きな男がいるところとか。
兄さんも紫蘭に別れを告げ、立ち上がる。

「じゃあタイムワープを始めるよ！！別れを惜しんでたらキリがないからね！
アルコバレーノは過去のマーレリングを封印してここへ戻ってくる予定だ」

タイムワープスタート、という言葉と共にこの時代へきたときのような不思議な感覚に襲われる。
けれどそれは一瞬のことで気づいたら家にいた。それにあんまり実感のないタイムワープだと苦笑する。

「…あれ、指輪してある」
「？あ、本当だ」

兄さんの言葉に手を見ればボンゴレリングの他にもう一つ、リスの顔の指輪がつけられていた。それにスクオロルだと気付いて笑う。
これからも、一緒だ。

・

・

「ひ、雲雀さ…っ怪我して…っ！」
「君笑うのか泣くのかどっちかにしなよ」

10年後、タイムワープが成功したことにより本来のボンゴレ守護者達が装置の前で話していた。
そんな中長い髪を持つ女が、目から涙をこぼして大笑いしている。その横で笑われている男は自身の武器であるトンファーを軽く振るったがいとも簡単に避けられてしまった。

「…で、どうします？綱吉、起きたみたいですけど」
「……今は咬み殺さないでおくよ。それより六道骸を咬み殺したくてね」
「うわ戦闘狂。 …んー、でもあいつのことだから今頃捕まらないように逃亡中？」
「ちっ」

顎に人差し指を当て、視線を彷徨わせて言った女の言葉に男は舌打ちをする。その様子に女は先程とは違う笑みを向けてその薄い唇を動かした。

「雲雀さん、ただいま」
「…はあ。うん、おかえり」

呆れた笑み、けれどその言葉はどこまでも明るかった。