【REBORN！】嘘つき兄妹8 ―未来編― (ページ13)

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嘘273 ページ13

「…水龍、ありがとう」
「またいつでも頼ってくれ。…なんて、無理な話かもしれんが」

ふっと笑って水龍が泡のように消えて私の中へと戻っていく。
そして私の腕を掴んでいた雲雀恭弥に一応礼を言って歩こうとするもふらついてしまい、結局支えられる形になる。

そして支えられながら、綱吉達に近づいた。いつも群れるのが嫌いなこの人がそうする理由は分からないけど、それがほんの少しの優しさなら良いなと思ってしまう。

「勝ったには勝ったけど…もうこんなめちゃくちゃで、本当に…勝った意味なんてないあったのかな…？」

素直に勝ちを喜べない綱吉がそう口にする。…そりゃそうだ、犠牲が大きすぎるもの。
けれど、そう思って口を開こうとすれば幼い声に掻き消されてしまった。

「大ありに決まってんだろコラ！！よくやったな沢田！コラ！！」

おしゃぶりを手に持つ小さな姿を中心に同じ頭身の彼らがいた。

アルコバレーノ。

その中にユニはいなくて、まあ仕方ないかと少し落ち込む。

「事情は全てわかってるぜ。おしゃぶり状態のオレ達にユニが炎を通して教えてくれたからな」
「ユニは白蘭が倒された場合、世界にどのような影響が起きるのかも我々に教えてくれました。白蘭が倒された今持ち主を失ったマーレリングの力も無効化されました。それにより白蘭がマーレリングによって引き起こされた出来事は全て…全パラレルワールドのあらゆる過去に遡り抹消されるのです」
「つまり白蘭のやった悪事は昔のこともきれいさっぱり跡形もなくなくなるんだぜコラ！！」

風の説明をコロネロがまとめ、その言葉にみんなが喜ぶ。そんな中、私はノアを見れば大事そうに大空のマーレリングを手で包んでいて泣いているブルーベルを慰めていた。ザクロも桔梗もその様子に何も言わず、唇を噛んでいるだけ。どうやら抵抗する気はない様子。

「それにお前らも泣かなくていい」

樹氷の炎の色をしたおしゃぶりをもつアルコバレーノがユニの部下であろう泣いている2人に声をかけた。そうだ、忘れていた。伝えなければならない。私は彼らに伝える義務がある。
アルコバレーノの視線が私に向き、そして外された。それに思わず目を見開く。
私がしたことが、バレていたのかな。

息を吐いて、まっすぐと彼らを見た。

「ユニとガンマは死んでいない」

響いた私の声に、全員が驚いていた。