嘘297 ページ19
兄さんが劇で女装していたのは知っていたけれど、実際に見るのは初めてだったりする。
普通に美人なの腹たつな。…まあ私の兄さんだし、顔整っているのは当たり前か。逆に美人な妹いるのに自分はブスの兄だったら、きっと兄さん嫌悪感に苛まれそう。嘘だけど。
「…あのシンデレラの人、琴平さんと似てるね」
「あ、うん。琴平さんのお兄さんなんだ」
ボソリと呟いた古里の言葉に綱吉がいち早く反応して返事をする。
シンデレラ役がさっき会った兄さん(女装OFF)だと気付いていないのか、古里はお兄さん…？と首を傾げた。…まあどう見ても女に見えるからな、仕方ない。
「女装中、さっき日菜くんの隣のいた人がシンデレラ」
「そうなんだ…」
「にしても本当にすげーのな。 普段から演技してただけあるぜ」
「演技と猫被りは違います〜」
はは、と笑い声を上げながら言った山本に反論する。べ、と舌を出して威嚇した。
というか演技でも猫被りでもなく、嘘なんだけど。私達が常日頃大事にしているのは。…まあどっちかといえば猫被りだよな。いい子ぶってるもんね、可愛いのは元からだけど。
「そういえば綱吉、いつ古里くんと仲良くなったの」
「えぇ？ 今それ聞く…？」
劇見ようよ、と苦笑する綱吉。しかし暫くすると苦笑しながらも声を潜めて話してくれた。
色々あって…オレと炎真って結構似てるみたいでさ。あぁ、ダメダメな雰囲気とかね。…琴平さんやっぱり思ってたんだ。事実でしょ？ 大体見てたら分かるよ。 あはは、そうかな。
「でも綱吉と仲良いならお世話係私じゃ嫌なんじゃないかな」
「なんで？ 琴平さん基本炎真に優しいよね」
「私と彼、気が合うように見える？」
「……あぁ」
見えるって言えよ。二人してコソコソ話しながら真剣に劇を見ている古里を盗み見る。
綱吉は複雑な表情を浮かべて考えるそぶりをする。
「オレも最初琴平さんのこと苦手だったしなあ…」
「え、嘘。 猫被りしてた時の方が仲良くなかった？」
「うーん。…なんとなく壁を感じるっていうか、違和感があったんだよね。
リング戦の時は……そりゃびっくりしたけど。未来で段々と琴平さんと近づけたっていうか、壁が薄くなった気がするからオレは今の琴平さんが良いな！」
そう言ってはにかんだ綱吉。
思わず顔を手で覆って深いため息を吐いてしまう。
この天然タラシめ…。
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らるる(プロフ) - 今更感ありますが、もし今見てくださってる方いましたらこちらリメイク版になります。コピペでリンク飛んだら見れると思います（本人です）。https://uranai.nosv.org/u.php/novel/midora/?fr=first_url (1月26日 20時) (
レス) id: 1ae450fb21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの。(プロフ) - 長い間更新していない様ですが、とても続きが気になるので再開してくださる事を心より楽しみにしています。応援しています。 (2019年8月21日 1時) (レス) id: 8b53c3fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白黒箱 | 作成日時：2018年11月17日 17時
