嘘295 ページ17
「…遠山先輩、A先輩と知り合いなんですか？」
「ん？ うん、まあ海ちゃんと俺って親友じゃない？ そりゃあ自然とAちゃんと仲良くもなるって」
「仲良くないです」
「親友…？？？」
「君たち本当似てるね」
じとっとした目を向ける遠山さん。日菜くんは兄さんを見てから私を見る。自然と目が合い、男にしては丸くて宝石のようにキラキラと輝く瞳が長い前髪の間から見えた。あー、立花ちゃんと同じでルビーだ。雰囲気が弱々しい彼にその情熱的な色はあまり似合わない。
しばらくお互いに黙って視線を交わしているとニアンが私の肩の手を置いた。そのまま流れるように腕を引っ張る。
「お昼…お腹空いた」
「ああ、そっか。 じゃあ早く食べよっか」
「うんっ。えっとね、その…隣いい？」
「ん。いーよ」
ふにゃりと笑ってニアンは喜んだ。それに私も笑い、京子達が敷いたシートの上に靴を脱いで座る。失礼します、と小さく声を発して日菜くんが私の右隣に座った。その隣には兄さん。
…きぶんわる。
フォークを受け取り、ニアンの弁当箱から卵焼きを取る。
そのまま口に運んだ。
「…っ！？んぐ、〜〜〜っ！！」
「こ、琴平さん！？」
瞬間、身悶えて口を手で抑える。その場にうずくまってしまうがそうでなければ我慢できない。
水、と途切れ途切れにいえば綱吉が水筒を渡してくる。中に入っていたお茶を一気飲みして、軽く息を吐いた。
ヒリヒリとまだ舌が痺れている。
「かっっっら！！」
「ニアンが辛党なの知ってんじゃないっすか。うちのにします？」
「する…」
額に滲み出た汗を拭い、もう一口お茶を頂く。俺のもどうぞ、と遠山さんからもおかずをいただいた。唐揚げ、美味しかったです…。意外と料理男子だったようだ。
「Aちゃんさ、絶賛嫉妬中でしょ」
「…はぁ？」
「あ、その反応はあたりだ」
軽薄そうに笑う遠山さん。
私を見ながらちらりと兄さんに視線を向けたが、その方向をすぐに正して小声で言う。
「誰だって大好きな人を取られたら嫉妬するよ」
「…」
「だからさ、とことん困らせちゃいなよ」
「困らせる？」
「うん。そっちのが絶対楽しいし」
はは、と笑う遠山さん。さっきの軽薄そうな笑みじゃない、純粋に楽しんでいる笑み。
お前に何がわかる、とも言いたくなるが私も彼を理解しようとは思えないので口に出すのはやめた。
…困らせる、ねえ。
そのくらいなら、バチも当たんないのかなと隣の日菜くんを見やった。
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らるる(プロフ) - 今更感ありますが、もし今見てくださってる方いましたらこちらリメイク版になります。コピペでリンク飛んだら見れると思います（本人です）。https://uranai.nosv.org/u.php/novel/midora/?fr=first_url (1月26日 20時) (
レス) id: 1ae450fb21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの。(プロフ) - 長い間更新していない様ですが、とても続きが気になるので再開してくださる事を心より楽しみにしています。応援しています。 (2019年8月21日 1時) (レス) id: 8b53c3fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白黒箱 | 作成日時：2018年11月17日 17時
