それ一緒にやらせて下さい4

-図書館 ページ19

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目黒さんと違って確信的なことは言われなかったが、阿部さんにはドッキリだとバレているのではないかということは薄々感じていた。

阿部「んー？ 半々かな」

『いつからですか？』

阿部「最初からと言えば最初からだけど、プライベートで会った日があるでしょ？」

『あ、お店でですか？』

阿部「そう。Aさんの話聞いてて、ちょっと変だな〜って思うとこがあったんだよね。仕事、自主退職じゃなくてリストラだったってこととか」

仕事とは関係なく阿部さんと遭遇した日、必死に頭を働かせて話したつもりだったが、詰めは甘かったようだ。

阿部「まあ、結局最後まで決定打は見つからなかったけど。倒れちゃった時なんて、一瞬これもドッキリの演出なのかなって考えちゃった。ごめんね」

顔の前で掌を合わせて申し訳なくしている阿部さんに対して、慌てて『阿部さんのせいじゃないですよ』と返す。

『ドッキリを仕掛けたのは私なので、私の方が申し訳ないというか。阿部さんがそう思ってしまうのは仕方ないです』

阿部「じゃあ、お互い様ってことで」

そう阿部さんは言ってくれているが、そもそもドッキリがなければ阿部さんが申し訳なく思う要素も生まれなかったわけで、本当にお互い様なのだろうかと考えていると、阿部さんは話を進めていた。

阿部「てゆうかさ、どこまでがドッキリでどこからが本当なの？ 喫茶店は俺はプライベートで行っただけだからバレないように嘘はついてたとしても割と本当のこと言ってたんじゃないかと思ってるんだけど」

『あー、そうですね。簡単に言うと、河内さんがいた時がドッキリ中でした』

阿部「そっか、河内さんも本当のマネージャーさんじゃないんだよね？」

『ですね。そういえば、目黒さんも仕掛け人だって思ってたのは何でですか？』

ドッキリをバラした日、阿部さんが目黒さんも仕掛け人なのではないかと言っていたことが引っかかったままだったことを思い出す。

阿部「あー、うん。めめがAさんの連絡先知ってたからってだけ。珍しいなと思って」

『そうなんですか？』

阿部「異性の共演者と連絡交換したって聞いたことなかったから。あ、でもメンバーになるはずだったならまた別なのかな？」

自問自答し次第に「よく分からなくなってきた」と言う阿部さん。

『阿部さんが分からないなら私はもっと分からないですけど、でも、その推察半分当たってます』

阿部「半分？」

・・・ドッキリは終わったんだから良いよね？



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