優しいお隣さん【電鋸男】

にじゅうよん ページ24

「あの……おーい」


今は深夜、大声でこの女性を叩き起こすわけにもいかない。
控えめに呼びかけて体をゆすってみたが、スゥと寝息を立てるばかりで起きてはくれない。


「風邪、ひきますよ」


起こすことは諦めて、とにかくこの人をこのまま玄関に放っておくとよくないと思った。
冷え込む中で一人でいるしんどさを私は知っている。


「はぁ……どうしよう……」


警察に任せた方がいい＿＿＿＿？いや、深夜に賃貸マンションで警察沙汰は迷惑か。
今夜はこの人を泊めるしかない。

全く知らない人物を家に入れて、そして泊めるのには勇気がいる。
同性だし、本当に泥酔しているようだからそういう手口の泥棒とかでもないだろう。


申し訳なく思いながら女性の身体を引っ張って、玄関から居間に移動させた。
そして体に布団をかける。一応暖房もつけておく。


「……私ももう寝よ」


あんまり考えないことにした。
この人が実は悪い人であっても、もういいやとまで思っていた。

明日、考えよう。全部明日にしよう、うん。



自分も布団に潜り込んで、消灯した。

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