小説家vs.天才漫画家【JOJO】 (ページ18)

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頭の中ページ18

起床、時刻は7時5分前。
ベッドから降りて部屋のカーテンを開けた。

程よく晴れた空を見ながら、露伴先生の別荘の掃除しに行かないとないなぁ、何でそんなことになったんだっけ、と頭を回転させ眠気を覚ましていく。

「まぁいいか……10時ってことは、9時には出ないとな」

時間配分まで出来てしまうほど、その露伴先生が買ったという古民家への行き方が頭に入っている。
地図が頭の中に直接書き込まれたみたいに。

掃除ってことは動きやすい方が良いか、あと虫よけも持って行かないと。
カバンに荷物を詰め込み準備を進める。

ちょうど9時に家を出て、タクシーで駅まで向かい電車に乗る。
途中で乗り換えを挟んでバスに乗り、そこから先は徒歩で。

聞いていた通り、かなり山奥で途中からは立派な山登りになっていたのだが、そこそこに体力をつけているのでそこまできつくはなかった。

時計を見ると9時55分、そろそろ建物らしきものが見えてもいいはず。
そう思った矢先、姿を現したのは2階建ての古い洋風の民家。

外壁は少しだけ削れているものの、立派な家だ。
しかし、それよりも。

「……似てる」

その家の外観を、昔見たことがあったのだ。

「君の小説に出てきた家にソックリだろう。だから買ったんだ」

「うわっ、……露伴先生」

いつのまにか後ろに立っていたその人物に驚きながら、もう一度まじまじとその家を見つめた。

「ソックリなんてもんじゃないですね……ほとんど同じです、違うのは壁の色くらいで……」

「やっぱりあの家にはモデルがあったのか」

「そう、ですね、はい」

私の小説の中でとある一軒家が出てくるのだが、確かに細かくその家の外観、内装を描写したがそれでも文字には限界があるだろう。

岸辺露伴、彼は私の頭の中を覗いているのか？

そう思ってしまうほど、私の書いた「家」にそっくりだったのだ。