11話 ページ13
「ねぇねぇ!
君、誰か待ってるの?」
『え___?』
違う。
悠仁じゃない。
声からして若めの男性二人。
スマホを見つめたままの視線と顔を上げられない。
「なーぁ、無視しないでくれる?」
『っ____!』
Aからしたら、ナンパも虐待もイジメも、同じようなものだった。
全然違うように思えるが、知らない人に言い寄られるのは物凄く怖い。
体が本能で全否定をしている。
《話にのっちゃダメだって》
どうする?どうする?
顔を上げたら100%彼らの話を聞いたことになる。
けどこの人たちはこの調子だと絶対に離れないでここに居座る。
「なーぁっ!」
『あ』
パシッ
という音と共に私の腕は男性に掴まれ、スマホは足元に落ちてしまっていた。
『いやっ、離し____!』
スルッという感覚につられ、目線を上げると高く上げられた腕から袖がズレ落ち、私の肌があらわになっていた。
「うわっ...!」
気持ち悪い物でも見るような視線が凄く不快に感じた。
『辞めてくださいっ!』
ハッキリと、大きな声で言えた気がする。
思いっきり相手の手から自分の腕を引っこ抜き、距離をとる。
「え、ねぇ、君さ、その腕…」
『っ____!』
それ以上聞くのが怖くて思わず駅前から離れてしまった。
逃げ出してしまった。
_____
小学校の頃、一度だけ友達に腕を見られたことがあった。
「あれ?
Aちゃん、どうしたの?この傷。」
『えっ?』
お医者さんごっこしよーと、低学年の子に誘われて、断れる筈もなく遊んだ。
そして、「おちゅーしゃしますよー」なんて良いながら無理やり腕をつかんで私の服の袖を捲り上げてきた。
「うっ、気持ちわるい!」
青アザだらけだったからだろう。
あと少しで夏が始まるから治りはじめていたのに、
見られちゃったよ…。
『やめてよ!』
年下相手にどなってしまった。
すると、その子は泣き出して先生が来た。
「どうしたの?何があったの?」
「うっ、うっ、Aぢゃんがっ、やめてって、急に怒って、グスッ」
「あー、そっかそっか。」
先生も先生だ。
許してくれたけど、私、悪いことしてないし…。
それから私は腕を誰かに見せたくないと思うようになった。
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ハロネコ(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます✨特級怨霊の大蛇ですよね?それで作者の名前は葵さん。棘君の方の作品でも声をかけてくださったので覚えてます✨新作でしょうか?大蛇の作品、面白くて一日で読みました。そちらも頑張ってください‼️ (2022年6月6日 5時) (レス) id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - とても面白いですね! 更新、大変だと思いますが自分のペースで頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦の作品を書いてますが良かったら作品の題名を教えますか? (2022年6月5日 20時) (レス) id: 8e5a2f605a (このIDを非表示/違反報告)
ハロネコ(プロフ) - るにゃネコさん» わわ!オリジナル作品として面白いの考えてみますね笑 (2022年5月28日 20時) (レス) @page20 id: 6af24d38bc (このIDを非表示/違反報告)
るにゃネコ(プロフ) - ミミズクインゲンの作品化お待ちしております。( ´꒳` ) (2022年5月6日 20時) (レス) @page17 id: 3476b03444 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 応援してます!!(*^^*) (2022年5月1日 18時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハリネコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naiyangsha1/
作成日時:2022年3月19日 19時