【HQ!!】 聖夜の下で告白を――

牛島　若利 ページ15

「う、わ…泣きたい、帰りたい」


私は今、担任の先生にパシられてクラスメイトの五色君の居る体育館に来ていた。
なんで私は日直だったんだろう、なんで五色君とクラスメイトだったんだろうと後悔している。
それは、この人が原因だ。


「誰かに用か」

「え、いや、あの…」


なんかでっかい人がちょうど体育館から出てきたのだ。
人見知りなうえに相手が男性でここまで背が高いとなると言葉もでない。


「まあ、入ればいい」


なにこの人、もう嫌だ。
でもどこかで見たことがあるような…でも３年だよね…きっと。


「どうした」

「ああ、あの、あなたは…」

「？俺は牛島若利だが」

「…ああ！！バレー部のスーパーエース！！」


中学の時、バレー経験者だった私は驚かずにいられなかった。
この人は名前を聞いただけで顔も覚えていなかったし、ましてや同じ学校だったとは。


「俺のことを知っているのか」

「一応」

「バレー、好きなのか」

「…好きじゃ、ないです」


私は正直に答えると牛島さんは歩みを止めた。


「お前は中学の時…コートを飛ぶエース、とか言われていただろう」

「なんで…」

「今年、ここに入学すると」


で、女バレにそう呼ばれていた人は入部してないっていうから男バレの人たちは不思議に思っていたと…。
私はバレーがもともと嫌いだったわけじゃないけど、嫌いになった。


「お前がやりたくないのならいいが…マネージャーやらないか」

「え…？」

「人手が足りないんだ。部員が多すぎて」


また歩き始めると体育館を見据えてこう言った。


「勝ちたい者が集まる場所だ。俺が居るチームは県内でも全国でも通用する。だからマネージャーも優秀な人材を集めたいんだ、お前のような」


お前がやりたくないなら別だが。と付け足した牛島さん。
それに私はこう答えていた。


「お前じゃないです…相島Aです。マネージャー、やらせてください」


ここなら、貴方がいるなら中学の時のような苦しくて、辛い思いはしなくていいだろう。
もし仲間が私と同じように苦しんでいるのなら私が助けてあげたい。
私は意を決して体育館に入った。


「…いい表情だな、相島」

「バレー、好きですから」


私がそう言うと牛島さんは少しだけ微笑んだ。


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五色君の用事はなんだったのか…
そして若様のコミュ力すげぇ…
そして恋愛要素が一つもねぇ！

二口　堅治→←岩泉　一

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