◇１６１話◇ ページ38
◇
翌朝
あの後すぐ布団に潜って、
質の良い毛布の温かみに綻びながらすぐに眠ってしまったのを覚えている。
そのおかげか、寝起きもすっきりしてなんだか体調が良い。
正直皮肉だけど最後のこの日に気分が優れないのはそれはそれで虚しい。
複雑な気持ちで着替えを終えると、部屋を片付け最後の練習に向かった。
◇
相変らず雷門のサッカーは言葉では言い表せないくらい迫力がある。
寒さが吹っ飛ぶ、という表現が物理的に適うのもここくらいだろう。
炎系の必殺技ってすごく素敵←
このメンバー、このサッカーを目の前で見られるのも
これで最後。おしまいなんだと思うと悲しさより別の感情が沸き上がる。
この感情を私は知らない。
寂しさによく似ていて、それでいて喪失感のある感情。
目を閉じて飛び交う声やボールの跳ねる音などに耳を澄ました。
私以外、何も変わらない空間。
私も変わりたくない、という気持ちの中に
確かに芽生える分岐点のその先の光、それに向かう一歩。
私はそれに身を委ねることを信じた。
折角手に入れた大切な人や幸せな時間は私の傍から離れるけど
決して無くなるわけじゃない。
そう思う、ことにしたんだ。
それがいいと、思ったから。
だから余計に、
自分の選択だからこそ余計に、悲しくなってしまう。
手放すことを決めたのも自分だから。
それでも、
A「休憩にしますよー！はい、タオルどうぞ」
浜野「ふぃー…Aありがとっ」
倉間「A、俺にも」
南沢「俺に先に渡したら良い事あるぜ子猫ちゃん」
速水「あった試しがないので死んでください、さもないと殺しますよ」
南沢「どっちを選択しても死！！？」
自分を責める必要はない。
自分は一人じゃない。
自分は、自分であっていい。
そう教えてくれたのは、紛れもない、彼らだから。
A「南沢さん、」
南沢「ん？」
A「倉間くん、浜野くん、速水くん」
倉間「どうした？」
浜野「なーに、」
速水「なんですか？Aさん」
名前を呼ぶと返ってくる優しい声と微笑みに。
私は決断する。
A「私、本当に幸せ者です」
けどそれを、伝える訳にはいかない。
浜野「…ぷふ、何それ」
楽しそうな笑顔を見て、浜野くんに頭を撫で乱されただけでほら、
決意が揺らいでしまいそうだから。
◇
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猫宮 - あかん最終回じゃないのに泣ける (2019年11月8日 18時) (
レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃ好きです更新頑張って下さい(*^^*)あなたのファンです！ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
基山ヒロト南沢豪炎寺メープルあんりアシーネ\(//∇//)\ - あぁ〜。続編が気になります\(//∇//)\更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月15日 22時) (レス) id: b569ca4662 (このIDを非表示/違反報告)
魔燐 - 更新頑張って下さいね！ (2017年4月29日 21時) (レス) id: a9bc66a4cb (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - お帰りなさい！私も更新しないと、、って思います、、けどなかなかヤル気が、、、 (2016年12月7日 20時) (レス) id: c71001c0b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：照沢鴎 | 作成日時：2013年11月5日 20時
