◇１５０話◇南沢視点 ページ27
もしかして、また何かあったのだろうか。
昨日までは全くそんなこと感じなかったのに、
思い返せば今朝からの様子が、
変と言えば変だった。
ボーっとしてることが多かったし、
話しかけても「大丈夫」「なんでもない」としか言わなかった。
もともと謙虚な性格だからあまり気にしなかったが、
俺はこんなAを前にも見たことがある。
宇月に、脅しをかけられていた時、
確かにその時、Aはこんな感じだった記憶がある。
南沢「A・・・何かあったのか」
A「・・・・なんでも・・ありません」
出来るだけ優しい声で聞いても、
Aは同じ返事しかしなかった。
知りたい。
彼女が今何を悩んで、
俺にこんなに縋っているのか。
受け止めて、安心させてやりたい。
好き、だから。
だけど、
今ここで振り返って抱き締め返すのも
どことなく、不正解である気がする。
優しいAのことだから、
何かあっても隠すのにはきっと理由がある。
宇月の時もそうだった。
なら俺が、
今その優しさを踏み躙るわけにはいかない。
・・・・
なんていうのは、きっと言い訳だ。
本当は怖いんだ。
大好きな人が辛い思いをしている。
もちろん、それだけだって胸が痛くなる。
だけど、もしそれが俺らのこと、
例えば、─────別れであったりとか。
そういったことで悲しんでいるのなら、
きっと俺は自分を責めずにはいられない。
そうなるのが、怖いだけ。
受け止めることも、受け入れることも出来ない。
つらい。
どうして。
夢にまで見たAからの行為。
抱き締めて、
目を合わせて、
そしてもう一度キスがしたい。
だけど、俺には出来ない。
もしそれがAにとって
中途半端な優しさになったとして、
余計に悲しませることになったら、俺は・・・。
俺は、弱いな、情けない。
お前が何を思っているか知りたいのに、
知る勇気もない。
大きな矛盾で、確実な本心。
厨房と廊下を繋ぐ、厚めの扉。
Aがゆっくりと腕を緩める頃には、
もう金属製のドアノブは、冷え切っていた。
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猫宮 - あかん最終回じゃないのに泣ける (2019年11月8日 18時) (
レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃ好きです更新頑張って下さい(*^^*)あなたのファンです！ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
基山ヒロト南沢豪炎寺メープルあんりアシーネ\(//∇//)\ - あぁ〜。続編が気になります\(//∇//)\更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月15日 22時) (レス) id: b569ca4662 (このIDを非表示/違反報告)
魔燐 - 更新頑張って下さいね！ (2017年4月29日 21時) (レス) id: a9bc66a4cb (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - お帰りなさい！私も更新しないと、、って思います、、けどなかなかヤル気が、、、 (2016年12月7日 20時) (レス) id: c71001c0b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：照沢鴎 | 作成日時：2013年11月5日 20時
