◇１４２話◇ ページ19
◇
A「ずっと行方の分からなかった母と・・・連絡がとれたみたいで」
宇月「・・・・・そう、なの・・」
あまり長く湯船につかっているとのぼせてしまうので、
脱衣所で着替えをしながら話をした。
話を聞きながら、
やよいちゃんは時折体を拭く手を止めた。
それでも私の話を遮らず最後まで黙って聞いていてくれたのは
きっと彼女が話をしたとき私がそうしたからだ。
宇月「それで・・・どこ、なの？
お母さんの居場所って・・・」
A「・・・・」
宇月「・・・・やっぱり、転校とかしちゃうの・・？」
心配そうな声色で、静かにそう尋ねるやよいちゃん。
あくまで優しく、それでいて真剣な問い。
私は唇を噛んで、本当のことを言う。
A「・・・・・・
・・・母は、アメリカにいるそうです」
宇月「！」
A「この合宿が終わったら・・・私・・」
やよいちゃんが、固まったのが分かった。
ちらちと横目で彼女を捉える。
まるで信じられないとでも言うように、
大きな目を更に見開き、薄く開いた唇は震えている。
つらい。
A「やよいちゃん」
あの日、あの時、
不動さんが私にしたように、
やよいちゃんと向き合うように彼女の体を促す。
今にも泣きだしそうなやよいちゃんの顔から目を離さずに
そっと彼女の手を私の両手で握った。
A「いろいろ考えました・・・
だけど私・・・・・」
私はここで言葉を切った。
─────────『お母さんに会いたい』
今にも喉から漏れそうな嗚咽をぐっと飲み込み、
じ、っとやよいちゃんの目を見つめた。
宇月「・・・・っ！」
むぎゅっ
ずるっ・・・
強い力で抱き締められ、
そのまま崩れ落ちるようなやよいちゃんに引かれ、床へ座り込む。
今度は手加減なし。
まだ途中までしかボタンの留まっていないシャツも気にせず、
ぐいぐいと物凄い力で、やよいちゃんの胸に顔が押し付けられる。
やよいちゃんは泣いてはいなかったけど、
それでも何かを耐えるように、
そして縋るように、私の自由を許さなかった。
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猫宮 - あかん最終回じゃないのに泣ける (2019年11月8日 18時) (
レス) id: a4825ec2c2 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁめっちゃ好きです更新頑張って下さい(*^^*)あなたのファンです！ (2018年8月1日 12時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
基山ヒロト南沢豪炎寺メープルあんりアシーネ\(//∇//)\ - あぁ〜。続編が気になります\(//∇//)\更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2018年7月15日 22時) (レス) id: b569ca4662 (このIDを非表示/違反報告)
魔燐 - 更新頑張って下さいね！ (2017年4月29日 21時) (レス) id: a9bc66a4cb (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - お帰りなさい！私も更新しないと、、って思います、、けどなかなかヤル気が、、、 (2016年12月7日 20時) (レス) id: c71001c0b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：照沢鴎 | 作成日時：2013年11月5日 20時
