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*第16話* ページ20

部屋の中から窓の外を
見下ろすと、
花のように色とりどりで
鮮やかな傘たちが雨粒を弾きながら
忙しなく動き回っていた。

ヨコハマ市内 とある事務所内。

左馬刻が珍しく上機嫌で煙草をふかしながら
外の景色を見ていると、ドアのノック音の後に
「入るぞ」と声がする。
入間銃兎が室内に入ると外を見たまま
身体の向きだけを変え、ソファに座るように促す。

「よォ銃兎、この間はご苦労だったな。」

「いや……あれはたまたま
あの場に居合わせただけだ。
だがこれでまた1つ借りだな、
必ず返して貰うからそのつもりでいろよ」

「ハッ、分かってる」

「やけに素直だな?
一体どういう風の吹き回しだ」

人通りが無くなり、少し詰まらなくなった
左馬刻は「別に」と銃兎が座るソファと対極に
陣取るソファに座る。
銃兎はそんな様子に首を傾げたが、
特に気にすることなく話を切り出した。

「そういえば、今度行われる
テリトリーバトルについてなんだが」

「あぁ、中央区でやるアレか。
まぁ俺は今すぐにでもあのダボを
ぶっ殺してやりてぇけどな……」

持て余しているエネルギーを
少しでも散らしてみようと、
持っていた煙草を灰皿にグリグリと
押し付けてみるが、なんの足しにもならない。
むしろ腹の立つ顔が頭に過ぎり、
逆効果な気がした。

「そんな元気があるなら大丈夫そうだな……
そこでバトルに向けて、
ミーティングをしたいのだが」

「んなことしてどうすんだよ。
別にいつも通りでいいだろーが」

「相手が舐めて掛かると
厄介な奴らばかりというのは、
お前が一番分かっているだろう?
特に初戦はイケブクロの───」

「オイ銃兎、テメェまさか俺が
あの糞野郎相手に負けるなんて
言うんじゃねーだろうな?」

紅玉の二ツ目が地獄の火釜の中で
煮え滾っているかの様にグラりと揺れながら
銃兎を視界に捉えた。
それは確かに、明らかに、
殺意を含んだ視線だった。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 碧棺左馬刻 , MADTRIGGERCREW   
作品ジャンル:ラブコメ
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ryi - な、、つ、、だっとぉ?!、サマトキsummerで授業中笑って怒られました (2020年10月5日 10時) (レス) id: 6b47d62694 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - Thistle*さん» ご指摘ありがとうございます!先程訂正しておきました。全く気づいてなかったので助かりました……!引き続き更新していくのでよろしくお願い致します! (2019年4月13日 1時) (レス) id: e686fa565e (このIDを非表示/違反報告)
Thistle* - コメ失礼しまーす!えっと…さまとき様が一番最初に出てくるところが、青棺になってますよ! 更新頑張ってくださいね! (2019年4月12日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - りゅうとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月4日 21時) (レス) id: 9bbefb7ab5 (このIDを非表示/違反報告)
りゅうと(プロフ) - 内容が凄く好きです!続き楽しみにしてます!! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 2265138f3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろはこ | 作成日時:2017年11月30日 19時

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