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*第12話* ページ16

最悪だ。

「おい、テメェ…こんな所で何してやがる」

どうしたものだろうかと、
Aは顔を伏せながら
こうなった状況、もとい自分の軽率な
行動に後悔を募らせていた。

新しく新調したカメラを持つ手も
焦りと恐怖心から握る力が強くなる。

『好奇心とインスピレーションの先に
己を満たす何かがある』

そんなモットーに身を任せて生きてきたAだが
今回ばかりは浅はかであった。


今、自分の目の前にいるのは

正真正銘の、『ヤクザ』なのだから。

「? おい、お前…」

「おい!A、大丈夫か!?」

ヤクザの男がこちらに手を伸ばした瞬間、
一郎がAの名前を呼びながらかけてくる。

「左馬刻…!?」

「一郎、どーしてテメェが
ヨコハマにいるんだよ?」

また先程とは違う緊迫とした
空気が流れ出す。
まさに、一触即発。
ここは動かず様子を見る方が無難である、
無難であるが正直いたたまれない。
というか怖い。

「左馬刻、俺のダチに
なんかしたんじゃねーだろうな?」

「あ?この女お前の知り合いかよ。
安心しろよ、俺は女には手は出さねぇーからよ」

ヤクザの男は手に持っていた煙草を
地面に落とすと、怒りと憎悪を込めて力強く、
威嚇するかのように踏み潰す。

「そんなことより一郎くんよォ…
なんでテメェがヨコハマにいんだよ?
わざわざ殺されに来たのか?」

ハッ と鼻で笑うと一郎はあからさまに
顔を歪める。

「早くぶっ殺してぇところだが、
今回は大目に見てやる。
このあと用事があるからな、
テメェに構ってる暇はねーんだよ。」

「おい!左馬刻!」

「次は覚悟しとけよ」

左馬刻と呼ばれた男は、一郎を無視し
Aの横を通り過ぎる。
その一瞬、ぱちりと視線があった

緋のようなその鮮やかな瞳に、
思わず息を呑む。

相手は人の顔面に火を押し付けるような
残忍なヤクザだ、
だがそのギラついた赤色は
Aの心と記憶に焼き付いて離れない。

気が付くと、左馬刻はその場から
居なくなっていた。
店員もいつの間にか何処かへ行き
ポツンと佇む自分と、
心配そうに見つめる一郎だけが
取り残されていた。

Aは、今までに無い以上の
魂の閃き(インスピレーション)を感じていた。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 碧棺左馬刻 , MADTRIGGERCREW   
作品ジャンル:ラブコメ
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ryi - な、、つ、、だっとぉ?!、サマトキsummerで授業中笑って怒られました (2020年10月5日 10時) (レス) id: 6b47d62694 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - Thistle*さん» ご指摘ありがとうございます!先程訂正しておきました。全く気づいてなかったので助かりました……!引き続き更新していくのでよろしくお願い致します! (2019年4月13日 1時) (レス) id: e686fa565e (このIDを非表示/違反報告)
Thistle* - コメ失礼しまーす!えっと…さまとき様が一番最初に出てくるところが、青棺になってますよ! 更新頑張ってくださいね! (2019年4月12日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - りゅうとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月4日 21時) (レス) id: 9bbefb7ab5 (このIDを非表示/違反報告)
りゅうと(プロフ) - 内容が凄く好きです!続き楽しみにしてます!! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 2265138f3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろはこ | 作成日時:2017年11月30日 19時

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