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*第10話* ページ14

落ち込む日奈子は放っておくことにし、カメラの電源を付け、
早速空に向かってレンズを向ける。

「本当はあんまり来たくなかったんだけどな」

「なんで? そんなに審査員やりたくなかったの?」

「いや、そういうことじゃ…」

言葉を濁す一郎に首を傾げると
「なんでもねぇ」とAの頭をぐしゃりと
撫でる。

「ちょっと、写真ブレちゃうでしょ」

「髪の毛崩れるは分かるけど、
お前はやっぱそっちなんだな。」

爽やかに笑う一郎に対し、
Aは思わずそっぽ向く。
いくら一郎が恋愛対象外とはいえ、
イケメンに頭を撫でられ、笑いかけられれば
胸も高鳴る。

所謂、胸キュンっ である。

友人に胸キュンして、
少しばかり居た堪れなくなっていると
倉庫裏へと移動する黒猫を見かけた。

「インスピレーション来たッ!!!」

目を光らせながら、黒猫を追って倉庫の方へと
全力疾走をしだす。
こうなってしまったら、日奈子以外の
誰一人としてAを止めることは出来ないが
当の日奈子は未だに頭を抱えている最中である。

手に負えないと感じた一郎は
ため息を吐きながら「気をつけろよ」と
一言だけ声をかける。
Aはそれに対して背を向けたまま
軽く手を振った。



倉庫の裏側に行くと、倉庫と倉庫の間の
路地で黒猫が一匹、優雅に寛いでいた。
ゆっくりと静かに近付く。
黒猫はぴくっと耳で反応を示すと、
くりりとした瞳でAをじっと見つめる。
少しずつ距離を詰め、数歩手前のところで
黒猫にレンズを向けてシャッターをきる。
写真を確認すると、ゆったりと黒猫は
Aに近付いた。

「ありがとうね、君は賢い子だね」

優しく頭を撫でるAに心を許したのか、
黒猫はぐるぐると喉を鳴らしながら
Aの足に頭を擦り付ける。




束の間

「ふざけてんじゃねぇぞ」

ドスの効いた声が響いた。

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設定タグ:ヒプノシスマイク , 碧棺左馬刻 , MADTRIGGERCREW   
作品ジャンル:ラブコメ
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ryi - な、、つ、、だっとぉ?!、サマトキsummerで授業中笑って怒られました (2020年10月5日 10時) (レス) id: 6b47d62694 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - Thistle*さん» ご指摘ありがとうございます!先程訂正しておきました。全く気づいてなかったので助かりました……!引き続き更新していくのでよろしくお願い致します! (2019年4月13日 1時) (レス) id: e686fa565e (このIDを非表示/違反報告)
Thistle* - コメ失礼しまーす!えっと…さまとき様が一番最初に出てくるところが、青棺になってますよ! 更新頑張ってくださいね! (2019年4月12日 23時) (レス) id: d67f03efe8 (このIDを非表示/違反報告)
ろはこ(プロフ) - りゅうとさん» ありがとうございます!頑張ります! (2018年8月4日 21時) (レス) id: 9bbefb7ab5 (このIDを非表示/違反報告)
りゅうと(プロフ) - 内容が凄く好きです!続き楽しみにしてます!! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 2265138f3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろはこ | 作成日時:2017年11月30日 19時

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