大根おろしはピリリと辛い ページ14
心が大根おろしのように削られる月曜日を終え、私はバスに揺られていた。
「はぁ……」
他の乗客に聞こえないようひっそりとため息を吐くけど、正直言ってバス内はガラガラに空いている。
なんで、こんな遠い高校を選んじゃったんだろ。
他の高校なら、こんな思いせずに済んだのかなぁ……。
中学生の冬の頃は、早く時間よ進めーっと思ってたけど、あれは受験勉強が嫌なだけで、高校に入学したい訳じゃ無かったんだよなぁ。
「はぁ……」
「一緒にゲーセンにでも行かないかい？」
「ひっ！？」
突然後ろから声をかけられ、飛び上がる。
なんだなんだ、ゲーセン行こうって何それナンパ？ いやいや、私がナンパになんて遭うわけないし……と高速回転し始めた頭で後ろを振り返る。
「よっ」
「な、なんだぁ。 テルくんかぁ……」
ほーっと息を吐いて、胸を撫で下ろす。
手すりにもたれかかっていたテルくんは、私の反応に不満そうに眉をひそめる。
「む。 『なんだ』ってどういう事だい？ 残念がるなんてひどいじゃないか」
「あ、違うよ。 違う。 テルくんで安心したの。 変な人に声をかけられたかと思ったから」
「変な人……」
ところで。
「テルくんバスに乗ってたんだね、気づかなかったよ」
「あぁ、後ろの辺りに座ってたからね」
なるほど。 でも、学校の女子なら後ろに座っているテルくんを見逃す事は無いだろうな。
輝き？的なもので。
「そんな事より、ゲームセンターにでも行こうよ」
「えっ、なんで？ ていうか、うちの近くにゲーセンなんて無いよ？」
「だから、今降りるんだよ」
そう言ったテルくんはバスの降車ボタンを押す。
「次、止まります」のアナウンスに、私は「えっ？」と声を上げた。
「次に降りるバス停の近くに、ゲーセンがあるから、そこに行こう」
え……なんでいきなり、ゲーセンに……。
そう聞こうとした私を遮るように、バスがプシューッと停車する。
「降りるよ」
テルくんが微笑んで私を見る。
このままジッとしてたら、手を握られて無理矢理にでも外に出されるだろう。
私は頷いて、席から立ち上がった。
＊＊＊＊＊
「わぁ……久し振りに来るなぁ、ゲーセン」
珍しさからマジマジとゲーム機の数々を見つめる。
「あはは、初々しくて面白い」
テルくんにからかわれ、私は慌ててゲーム機から目を離す。
「……で、どれやる？」
そう聞くと、テルくんは店の入り口にあるゲーム機を指差した。
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オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 毎回素敵と言ってもらえるなんて……！ ありがとうございます！ ほんっとうに嬉しいです！ これからも頑張ります！ (2019年6月29日 12時) (
レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - 更新されるお話が毎回毎回素敵で本当に読んでいて楽しいです！更新お疲れ様でした！無理をなさらずにまた更新頑張ってくださいね！ (2019年6月29日 10時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - 木の葉さん» こちらこそ、ありがとうございますー！ 嬉しいお言葉です！ もっとぼっちに優しい世界になるといいですね〜。 (2019年4月15日 7時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
木の葉 - ぼ、ぼっちに優しい…！！！！！ありがとうございますぅぅぅぅ(´Д⊂ヽしかもすっごく面白いです！これからも更新頑張ってください(*^^*) (2019年4月15日 6時) (レス) id: 927779d34a (このIDを非表示/違反報告)
オトナノジジョウ(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» ありがとうございます！ とっても励みになります！ おっしゃる通り、無理し過ぎず頑張っていこうと思います！ (2019年4月14日 12時) (レス) id: aad4b6e5d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オトナノジジョウ | 作成日時：2019年4月10日 23時
